半導体業界で、海外への人材流出懸念が再び高まっている。 引き金になったのは、大手半導体メーカーであるルネサスエレクトロニクスの大リストラと、エルピーダメモリの破綻だ。これまでも業界では、国内企業から海外への人材流出は日常茶飯事だったが、日の丸半導体が終焉(えん)を迎えそうな今、優秀な人材が日本に見切りをつけるのはどうやら避けられそうもなく、加速していく様相も見せ始めている。 米国・フリースケールがエンジニアを3倍増に 「フリースケールが大量に募集しているらしいと、社内でも話題ですよ」 ルネサス社員はこう話す。フリースケールとは、自動車や家電などの制御に使うマイコンで、世界2位の米国フリースケール・セミコンダクタのことだ。実際、ホームページを見れば、自動車用マイコンの営業技術者を中心に、複数の職種で採用をしている。同社に近い関係者によると、実数こそ明らかにされていないが、「秋までに自動車用半