本研究所では、日本と海外のIT技術およびその利用方法を比較し、両者の間にある格差について考えている。今回は、米国で30年以上の歴史を持つソフトウエア会社が提供しているCRM(顧客関係管理)ソフトを取り上げる。同ソフトは未だに日本語化はされていない。その理由と、日本市場におけるCRMソフト/サービスを比較検討してみよう。 米国で30年の歴史があるCRMソフトとは、米Sage Softwareが開発・販売する「ACT」である(図1)。筆者がACTを実際に見るために、米国を訪れたのは、今から8年ほど前のことだ。非常に完成されたソフトだった。当時筆者は、優れたCRMシステムを導入したいという企業の依頼を受け、世界中を探していたのだ。そんなときに、紹介されたのがACTだった。 ACTの最大の特徴は、ある情報にユーザーが注目しているとき、それに関連して必要な情報が、同じ画面内に表示されていることである