都市の老化 アフターコロナ、またはウィズコロナになるかは別として、わたしたちの街が今後どうなるかは予断を許さない。ただひとつ確からしいのは、街の保守化がいっそう進むのではないかということである。 平成以後の街をみるとき、目立つのは、その保守化と、同じことだが新陳代謝の低下である。東京にしろ、地方都市にしろ、00年代頃より急速に、多かれ少なかれ街は停滞し、あらたな商品や情報を発信することを減らしてきた。 その良い例が、渋谷である。80年代に「渋カジ」と呼ばれるファッションが生まれ、90年代に「渋谷系」と呼ばれる音楽がヒットしたように、以前、渋谷はあらたなファッションや情報を生み出す若者の街として東京に君臨してきた。 しかし現在はそうとはいえない。若者はどこかに消え、より保守的な街に渋谷は変化している。 たとえば2019年に渋谷にオープンした東急プラザ渋谷は、「大人をたのしめる渋谷へ」をコンセ