北村晴男氏(三尾郁恵撮影)自民党安倍派の議員たちは、安倍晋三元首相がどういう日本をつくろうとしていたか、その遺志を忘れてしまったかのようだ。 彼らは安倍氏の死後、たがが外れてしまった。昨年、安倍氏が慎重姿勢を取り続けていたLGBT理解増進法成立に手を貸したのは記憶に新しい。同法は伝統的に性的少数者に寛容であった日本社会を「差別する側」「される側」に分断するなど弊害が大きいが、彼らは安倍氏がいなくなるや、あっさりと法案成立に動いた。 派閥パーティー券収入のキックバックをめぐる問題でも、産経新聞の阿比留瑠比記者によれば生前の安倍氏は令和3年11月に同派会長に就任し「キックバックと政治資金収支報告書不記載の悪習をやめさせた」とされる。つまり安倍氏の死後、その遺志が無視され、キックバックと不記載が行われたのだ。閣僚などが辞任したり逮捕されたりしてメディアが「安倍派」「安倍派」と騒ぐたび、彼らにそも