Winnyと関連ウィルスによる情報漏洩の問題について、単純に「情報を持ち出す奴が悪い」という議論があまりにも多い。私は短絡的に組織の情報管理の問題として片付けそこで思考停止してしまうのは危険と考える。本件の問題の本質は、組織外への情報の持ち出しの存在、匿名P2Pネットワークの存在、匿名P2Pを悪用する暴露ウィルスの存在の全てが関係しており全ての要素を視野に入れた検討が必要であると考えている。 以下に、よくある主張に対する私の考えを述べる。 ■「持ち出す奴が悪い」で片付けてはならない 「重要情報の持ち出し制限とその徹底」は重要な対策であることに間違いはないが、対策としてそれだけに頼ろうとするのは大変危険である。「重要情報を持ち出さない」「個人のモラルが大切」といった性善説に基づく対策には限界がある。日本全国の全組織で情報の持ち出しを防ぐことは不可能である。持ち出しは起こりうるという前提の対策