戦後81年を迎えたいま、私たちは「あの戦争」をどう位置付けるべきなのでしょうか。 他国は「あの戦争」の日本をどう見るのか。なぜ日本には「国立近現代史博物館」が存在しないのか。私たちは「あの戦争」をどう語ればよいのか—―。 『「あの戦争」は何だったのか』(講談社現代新書)著者の歴史家・辻田真佐憲さんが、戦争を「われわれのもの」として捉えるために、これまでの「語り」を見つめ直します。 (※本記事は、辻田真佐憲『「あの戦争」は何だったのか』の一部を抜粋・編集しています) 「許そう、だが忘れない」記憶は残すべきだが、恨みは残すべきではない。このような文言は、戦後の和解に向けたメッセージとして世界的に広く見られる。フィリピンはまさにその好例だった。 フィリピンについては、前著『ルポ国威発揚』(中央公論新社)で詳しく言及したため繰り返しは避けるが、同国では「許そう、だが忘れない」があの戦争の記憶と継承

