紙の教科書は現在、機能強化された電子教科書に道を譲り、少しずつ「過去のモノ」になろうとしている。しかも世界中で。しかし、学生に電子教科書を実際に使ってもらうにはまだ各所の意識改革が欠かせないようだ。 韓国はすでに公立学校と高等教育機関ですべての教科書を電子化する取り組みを行なっているし、インドでは公立学校の生徒をターゲットに、最低限の機能を持つ非常に低コストのタブレットを僻地でも展開しているとされる(編注:山谷剛史氏の現地ルポも併せてご覧頂きたい)。では、Book Industry Study Group(BISG)が米国の高等教育機関の学生のわずか11%しか電子教科書レンタルサービスを利用していないことを見出したのはなぜだろうか。米国の大学で調査対象となった学生の75%が電子教科書よりも紙の教科書を好むのはなぜなのだろうか。 「出版業界のあらゆる領域と同じく、大学の教科書市場は指数関数的