俺はミーハーな文学好きなので、小説だけでなく、それを書いた作家の風貌にも興味がある。しかし、出回っている写真の多くは、晩年に撮られたものだったり、パブリック・イメージを意識したものだったりで、飽き足りないものがある。例えば、岩波書店から出ている、濱谷浩の『学芸諸家』なんかは、「上品」すぎて退屈だ。 そこで、もっと自然体な感じのもの、もしくは出回ることの少ない若い頃の写真が載った写真集を、中の写真を引用しながら、ここで紹介してみようと思う。 樋口進『輝ける文士たち』 樋口は1953年に文芸春秋新社に入社、写真部を設立しすると、1982年に退社するまで、会社員の立場で作家たちを撮り続けてきた。また、裏方として、文士劇や出版会のパーティ、冠婚葬祭を手伝ったりもしている、縁の下の力持ち的存在でもあった。 掲載されている写真は、雑誌の企画や、忘年会、講演旅行、取材、草野球、将棋大会と、様々なシチュエ
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