2021年11月に、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する7人の宇宙飛行士が、ISSにドッキングしている宇宙船への緊急避難を余儀なくされた出来事は記憶に新しい。原因は、ロシアが機能を停止した同国のスパイ衛星をミサイルで破壊したことによって、1500個以上の新たな宇宙ごみ(スペースデブリ)が発生し、それがISSに滞在する宇宙飛行士や有人宇宙活動に大きなリスクになる可能性が指摘されたことにある。 これは、40年には年間100兆円の市場に成長する(現在は約40兆円)との予測もある宇宙産業にとって、宇宙ごみがすでに大きなリスク要因になっていることを示す一例にすぎない。実際、欧州宇宙機関(ESA)の21年9月のデータによれば、大きさが10cm以上のスペースデブリ(以下、デブリ)の数は約3万6500個で、1~10cmの大きさであれば約100万個にも及ぶという。 JAXA(宇宙航空研究開発機構)によれ