巨船ベラス・レトラス 作者: 筒井康隆出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (68件) を見る 文学を題材にした「メタ小説」2作が評判になっている。新鋭、佐藤友哉氏(26)の『1000の小説とバックベアード』(新潮社)はこのほど三島賞に決まった。またベテラン筒井康隆氏(72)の『巨船べラス・レトラス』(文芸春秋)は、『大いなる助走』(79年)以来28年ぶりに文壇をメッタ斬りにした長編。世代の異なる2作家の筆致から共に伝わってくるのは、現在の文学状況に対するもどかしさだ。 (中略) 一方、筒井氏の『巨船――』では、若年作家のもてはやされ方やライトノベル量産による質の低下などの批判が出てくる。作家らが迷い込んだ巨船の中に作中人物や「筒井康隆」を登場させ、二重、三重のメタ構造の中に議論の形で危機感を浮かび上がら