私は一時期、福祉の現場で働いていたことがある。 私が担当した利用者さんの1人に、車椅子を利用している若者がいた。 彼の移動支援や、入浴、トイレ、脱着衣などの介助・介護だ。 彼は、全身が不自由で硬直していて、言葉をハッキリと発することもできなかったが、温厚な人柄な青年。 彼は1人暮らしをしていて、比較的広いアパートに住んでいた。 彼のサポートにあたっては、福祉施設の職員から、彼の母親の話も耳にしていた。 福祉の現場ではアルアルだと思うのだが、利用者さん本人だけではなく、その背後にいる家族の人柄もクローズアップされる。 その青年の母親、強烈なハラスメントマザーだった。 息子に対する過保護な思いは、彼の部屋に溢れんばかりにギッシリと詰まっていた衣類、下着に現れていた。 青年のマザーは、彼が町を移動する時に付いてくることもあったし、自宅に滞在している時にもふらりと立ち寄ることがあった。 彼の母親が