2013年3月1日のブックマーク (3件)

  • 帰宅してドアを開けると床にサッカーボール程の大きさの毛玉が転がっていた。- リオ・デ・ジャネイロの祭り

    恋人に別れを告げられてから一ヶ月が過ぎた。 帰宅してドアを開けると床にサッカーボール程の大きさの毛玉が転がっていた。人の毛と犬の毛を混ぜたような質感の塊が、風もないのに動いている。とても生きているようにはみえないが、乾いた笑い声のような音をたてて転がっている。(ずっと掃除をしなかったからほこりや髪の毛がたまってしまったのか)と考えていると、毛の塊が触手のようにのびてきて胸ポケットにさしてあったボールペンを奪った。奪ったボールペンを顔の前に持ってきたその仕草が催促しているように思えたのでペンをノックしてやると、床に落ちていた茶封筒に文字を書きはじめた。(マヤ文明の暦は2012年で終わっているから、2012年で文明社会は終わるかもしれない)と読めた。自宅の住所を横切るようにして書かれたので多少読みづらいが、そうとしか読めなかった。あと4年でなにもかも終わるのかと思うと胸がすっとするような感じが

    帰宅してドアを開けると床にサッカーボール程の大きさの毛玉が転がっていた。- リオ・デ・ジャネイロの祭り
    healthy-boy
    healthy-boy 2013/03/01
    あたらしい生き物 懐かしい気持ち
  • 菓子を食べながら営業活動をするのをやめた。 - リオ・デ・ジャネイロの祭り

    お前らは全員ぬるま湯につかっている。先週の金曜日の夜、支店長が語るのを聞き黙ってうなづいていた。支店長に言われるまでもなく、今後どんなにきびしい職種に就いても平気で働けるよう自らを訓練していく必要があると感じていたからだ。自分にきびしくするため、まずは菓子をべながら営業活動をするのをやめた。ささいな尿意を口実にコンビニエンスストアに入り、ついでに菓子を購入するのをやめた。それ以後、尿意をこらえながらハンドルを握ることが多々ある。尿意をこらえることで、無駄を省いた分刻みの行動が実現できることは確かにある。しかしながら、2メートルあるかないかの細い道を営業車で通り抜けなければならないことも多く、そんなときにはやはりおしっこは我慢すべきではないとも思わされる。 家主が自分の家を破壊されまいと、塀の角などに反射板だとか蛍光色の棒のようなものを取りつけているのをたまに目にするが、飾りつけをしたとこ

    菓子を食べながら営業活動をするのをやめた。 - リオ・デ・ジャネイロの祭り
    healthy-boy
    healthy-boy 2013/03/01
    ラブレター
  • 猥談の名手(リオ・デ・ジャネイロの祭り)

    ちょっとした遊び心から、(シャープ!)だとか(ボールペン、黒!)だとか念じる際に猥褻な気持ちが混じるとペン先からインクがにじみ出すように作られた。もちろんインクがにじむのは性器が湿った状態を模している。どんなに誠実そうな表情で机にむかっていても、紙の上がインクでベタベタになっていれば、ああそういうことかと思う。すこしでも猥褻な気持ちになると画数の多い文字は判読できなくなってしまうのでとても扱いづらい筆記具だけれど、にじみ具合をうまくコントロールするととても味わい深い文字が書ける。そんな文字が書けるのは猥談の名手しかいない。猥談の名手は、普段はまったく猥褻なことを考えず、ふとしたきっかけで瞬時に猥褻な話を始めることができる。たとえばボーリングの球に指を差し入れる瞬間に始めたりする。名手の書く文字は真っすぐな細い線と水墨画のようなにじみとを使い分けていてとても美しい。老人たちがふれあい会館のよ

    猥談の名手(リオ・デ・ジャネイロの祭り)
    healthy-boy
    healthy-boy 2013/03/01
    猥談の名手