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  • スター・ウォーズに見る黒澤明1: 『スター・ウォーズ』とは何なのか

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 【ネタバレ注意】 スター・ウォーズ・シリーズほど人口に膾炙する作品はないだろう。世界中のファンが、スター・ウォーズ・シリーズのありとあらゆることを語り合い、語り尽しているはずだ。もう語る余地があるとは思えない。 それでも私がスター・ウォーズ・シリーズについて書きたいと思ったのは、エピソード7『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を観たからだ。ジョージ・ルーカスが監督せず、脚を書かず、制作総指揮も務めない新作には、百人百様の受け止め方があるだろう。観客が抱く思いの違いは、先行する六作に対する思いの違いでもある。『フォースの覚醒』に喜ぶにせよガッカリするにせよ、それは六部作のどこが好きでスター・ウォーズ・シリーズに何を求めてきたかによる

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  • 『キングスマン』 知性の本質とは?

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 「スパイ映画は好きか?」 「最近のはシリアスで好みじゃないが、昔のは素晴らしい。荒唐無稽でね。」 「古いボンド映画とかな。」 そう、そうなのだ。最近の007シリーズへの挑戦状ともいえる『キングスマン』の会話を聞いて、私は膝を打ちたくなった。 マシュー・ヴォーン監督が仕掛けたのは会話ばかりではない。荒唐無稽でケレン味たっぷりの『キングスマン』は、全編が古いボンド映画のような痺れる作品だ。 今のボンド映画も面白い。他のスパイ映画、たとえばミッション:インポッシブルシリーズだって面白い。テンポの良さといい、アクションの迫力といい、総じて新作のほうが古い映画を上回っていると思う。 それは間違いないのだが、足りないなぁと思うものもある。それが

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  • 『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』 アニメと違う「差分」の正体

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 【ネタバレ注意】 「演出家としてはB級です」押井守監督はみずからこう述べている。「演出という部分で僕よりはるかにうまい監督なんかいっぱいいるんです。僕の演出はどちらかと言ったらゴツゴツしてるし、なめらかじゃない。手つきが硬いというかさ、だから演出家としてはたいしたことないんだよ。役者の扱いもそんなにうまいわけじゃないし。」 同時に、監督としては特A級を自認している。 「企画を成立させたりとか、映画映画として成立させるということに関してはたぶん五指に入ると言ってもいい、と思ってるよ。当は正直に言えば一番うまいと思ってるんだけどさ。」 人がこう云うのだから、押井監督の作品に対して演出がどうの、役者の扱いがどうのと書いても仕方がない

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  • 『ベイマックス』 期待される日本

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 【ネタバレ注意】 年末に配られた冊子に、面白い一覧が載っていた。 読売新聞の購読者に配られる読売家庭版2015年1月号のディズニー映画特集だ。「時代を超えて愛され続けるディズニー長編アニメーション」と題して、長編映画第1作目の『白雪姫』から最新の54作目『ベイマックス』までがズラリと掲載されているように見えた。 だが、記事文には「『ベイマックス』まで入れて54作品。心に残る名作ばかりです。」と書かれていながら、作品の一覧には22作しか載っていない。 しかも未掲載の作品は、『バンビ』(1942年)から『シンデレラ』(1950年)までのあいだに作られたオムニバス6とか、『くまのプーさん』(1977年)から『リトル・マーメイド』(19

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  • 『かぐや姫の物語』 高畑勲の「罪と罰」とは?

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 【ネタバレ注意】 2013年、高畑勲監督は実に14年ぶりとなる新作映画を発表した。 『かぐや姫の物語』は、まさに高畑アニメの集大成ともいうべき大傑作だ。これまで世界中を泣かせ、喜ばせ、感動させてきた高畑勲作品のあらゆる要素がここに結実している。 72歳で長編アニメからの引退を宣言した宮崎駿監督よりも、さらに年上で78歳になる高畑監督が発表したこの長編は、心して観たい作品である。 何年か前のこと、私は都内にしては閑静なところにある弥生美術館を訪れた。武部一郎画伯の回顧展が行われたからだ。 武部画伯は多くの児童書やSF小説の挿絵を手掛けた人なので、を好きな方にもファンが多いだろう。『火星のプリンセス』のヒロインを描いた絵は、米国のS

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