ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/mutsuji (3)

  • 香港の若者が一歩も退かない本当の理由

    <「自由を求める香港vs独裁的な中国」の二項対立では捉えきれない、若者を取り巻く不幸> 6月から続くデモに業を煮やした中国政府は、香港政府の責任者、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の更迭を検討中といわれる。しかし、責任者をすげ替えたり、あるいは軍事介入でデモを叩き潰したりしても、香港の若者たちの将来への幻滅が続く限り、抗議の芽がなくなることはない。 失業リスクに直面 香港デモに関して、多くの論説は「自由や民主主義を求める香港市民vs独裁的な中国共産党」という構図にフォーカスしている。実際、デモ隊が掲げる要求は、逮捕されたデモ参加者の釈放、警察の不当な取り締まりに関する独立した調査委員会の設置、自由かつ公正な選挙など、政治的なものばかりだ。 しかし、フランス革命以来の多くの政治変動では、自由や民主主義といった大義だけでなく、生活苦への不満もまた大きなエネルギーになってきた。香港デモの場合も

    香港の若者が一歩も退かない本当の理由
  • イラン攻撃を命令しながら直前に撤回したトランプ――気まぐれか、計算か?

    トランプ大統領はイランのレーダー基地などへの攻撃を命令したが、直前になって命令を撤回した ・そこには攻撃すると威嚇してイランを協議の場に引きずり出そうとしたが結果的に失敗した、という可能性と、直前になって影響の大きさを初めて真剣に考えた、という2つの可能性がある ・いずれの場合も、イランとの神経戦でアメリカが優位に立っていない点で共通する トランプ大統領がイラン攻撃を命令しながら直前になってこれを撤回したことは、イランをめぐる神経戦でアメリカが優位に立っていないことを示す。 攻撃命令の撤回 トランプ大統領は21日、イランのレーダー基地などを標的とする攻撃命令を下した。これは20日、アメリカの無人偵察機グローバル・ホークがイラン近海で撃墜されたことを受けてのものだった。 これをいち早く報じたニューヨーク・タイムズによると、トランプ政権の内部ではポンペオ国務長官、ボルトン国家安全保障補佐官、

    イラン攻撃を命令しながら直前に撤回したトランプ――気まぐれか、計算か?
  • 「イエローベスト」の暴徒化に揺れるフランス、その不穏な正体

    ・フランスのマクロン大統領はビジネス界向けの改革を推し進め、企業経営者からは高く評価されてきた。 ・しかし、それ以外からは不満が相次ぎ、右派と左派の垣根を超えた大規模なデモ、イエローベスト運動を招いた。 ・マクロン政権の窮地とイエローベストの台頭は、特定の勢力に偏りすぎた政治の危うさを物語る。 「右派でも左派でもない」と強調し、政治への信頼を回復すると叫んで2017年に就任したマクロン大統領は、3週間続けてパリで発生した数十万人規模のデモとその暴徒化によって窮地に立たされている。この背景にはビジネス志向の急速な経済改革への不満があり、これは結果的に右派と左派の連携を生んでいる。 「革命とデモの国」の動揺 「芸術と美の国」であるフランスは「革命とデモの国」でもある。どちらも既成概念に囚われず、自らのセンスと意志で新たな境地を切り拓こうとする点で共通するが、11月半ばから毎週末発生してきた大

    「イエローベスト」の暴徒化に揺れるフランス、その不穏な正体
  • 1