「数学たん」「物理学たん」「社会学たん」……。いずれも、いわゆる「萌えキャラ」が本格派の学術話をしてしまうということで人気のツイッターアカウント。「宗教学たん」も、そんな人気アカウントの一つだ。見た目は「萌え」だが、中の人は世界で活躍する気鋭の宗教学者。メルマガ「寝そべり宗教学」では、古今東西の宗教から、現代の宗教問題まで、多角的に論じます。今日は前回に続き、世間をにぎわせている過激派組織「イスラム国」について。 前回はイスラム国の宗教的なイデオロギーのことを考えてみたね。ジハードがイスラム教の宗教的な努力とか、偶像崇拝をなくすための奮闘とかの意味で、ときには暴力を容認するために利用されてきたって話。ジハードで殉死すると天国に行けることになってるから、このイデオロギーを叩き込めば、人の死生観まで揺るがしちゃう。怖いね……。 それからサラフィー主義。ムハンマドや初期のカリフの理想的な時代に戻