川崎重工業(神戸市中央区)は22日、神戸工場(同)で、荷造りせずに物資を運ぶばら積み運搬船「アミス ネイチャー」の命名・進水式を開いた。造船事業の再構築の一環で、同工場で製造するばら積み船はこれで最後になる見通し。関係者や市民ら約3600人が集まり、真新しい船体が水上に浮かぶ雄姿を見守った。 川重は、世界的な船余りで不振が続く国内商船建造の縮小を進めている。安価なばら積み船は中国の拠点に製造をシフトし、国内工場は高度な技術を要する特殊船などの製造に特化する。川重は坂出工場(香川県)でもばら積み船の製造を終えており、製造の軸足は中国に移る。 神戸工場は創業者の川崎正蔵が1881(明治14年)年に「川崎兵庫造船所」を開いて以来の歴史がある。ばら積み船は記録が残る阪神・淡路大震災以降で計65隻を製造してきた。 「アミス ネイチャー」は全長190メートル、幅32メートル、総トン数3万1700トン。