【北京=野口東秀】中国国営新華社通信によると、中国は自主開発の全地球測位システム(GPS)「北斗」で稼働する衛星を、今後1年間ほどの期間に12基も打ち上げる計画を明らかにした。最終的には30基以上もの衛星によるGPSを構築、商業・軍事の両面で米国に対抗する狙いのようだ。 中国は「北斗」のためにすでに5基の衛星を打ち上げている。30基以上の衛星を稼働させれば、地球全体をカバーできる。米国のGPSに質量ともに匹敵する測定精度となる可能性が高い。 GPSは地球上の位置を調べるためのシステムで、航空機や船舶、さらには自動車(カーナビゲーション)など民生分野で利用されているが、もともとは軍事技術で、巡航ミサイルや精密誘導爆弾など応用範囲は極めて広い。「北斗」の整備により、GPSでも中国が米国の一極支配を切り崩しつつあるといえる。 一方、中国は10月末、ベネズエラの通信衛星を四川省の発射センターから打