ベンジャミン・クリッツァー『21世紀の道徳』を読んで、啓蒙されたので、以下、考えたことを記しておきます。 本書は、おおまかに「学問の意義」「功利主義」「ジェンダー論」「幸福論」を扱う4部構成で、各章の独立性も高く、この一冊で相当広いトピックが扱われている。著者のベンジャミン・クリッツァーは在野の批評家。ブログ「道徳的動物日記」の著者であるブロガー、デビット・ライスとしても活動している。 ヴィーガニズム、「権利」という語彙、「ロマンティック・・ラブ」、「ブルシット・ジョブ」等々の話題を、倫理学―—特に印象的に引用されるのはピーター・シンガーである——の知見を参照して論じていくのだが、論旨は明瞭で結論も説得性があり、はっきりいってめっちゃ啓蒙されてしまいました。本書であつかわれている事柄に関連する話題をふられたら、したり顔で本書に書いてあったことを口にしちゃうかも、と思うくらい。 そうした個別