スペインは新調されたアンリ・ドロネー杯を掲げ、44年間にわたる無冠の“呪縛(じゅばく)”をふりほどいた。 “無敵艦隊”の呼称とは裏腹に、ワールドカップ(W杯)では頂点に立ったことがなく、欧州選手権も1964年の一度だけ。タレントをそろえ、毎回のように優勝候補のひとつに数えられながら、実力を発揮できないまま敗退する。それがいつものパターンだった。 前回の欧州選手権では優勝したギリシャ、準優勝のポルトガルと同組で、まさかの1次リーグ敗退。2006年W杯も決勝トーナメント1回戦でフランスに敗れた。試合後の記者会見で、そのときからの進歩を尋ねられたアラゴネス監督はきっぱりと言い放った。 「大会のスタートは06年W杯と非常に良く似ていた。だが、(06年と比べ)選手が成熟し、どうやって勝つかが分かるようになった」 若い選手が多い感のあるスペインだが、彼らが代表として活躍し始めたのは前回W杯以前。セスク