課長の決裁を取るため、業務の個別案件の説明をしていたときのこと。突然「君はやる気がないのか?」と言われた。私はどう答えてよいか分からず、ただ「すみません」と言った(どう答えてよいか分からない場合は、別段悪いと思ってなくとも謝っておけば何故かうまく収まるという不思議な処世術を、私はいつの間に身に着けたのだろう。)。課長からは続けて、「担当者として、君はどう考えているんだ。この仕事をやれと言われて仕方なくやっているだけなのか?」と畳みかけられた。動揺した私は、しばらく黙り、頃合いを見計らってうつむいたまま、やはり「すみません」と答えた。 ほどなくして説教は終わり、私は解放された。少し時間がたってから私は思った。あのときどう答えたらよかったのだろう、と。課長は何も間違っていない。・・・だって、その通りなんだもの。むしろ、何故あの人は、私にやる気があるなどと勘違いしたのだろう。もちろん、私は仕事に