闇金ウシジマくんはこれまでも何度も取り上げてるが、最新刊12巻を経て、さらにぐっと文学性が増し、なんだか手の届かない高みに達した感があり、びっくりしてしまった。 連載当初こそはトサン(十日で三割)というハッタリ感ばりばりの闇金世界と、コミックらしい味付け濃い目のキャラクター、それにギトギトの暴力描写、倫理や道徳を軽くフライングした世界観で世の暴力グルメの舌を満足させてきたのだが、ついに最近では文化庁メディア芸術祭推薦作品に選ばれるなど(「いかにこの国がダメになっているのかを執拗に描いた作品に、国が優秀作品として推薦してしまうのだからなかなか懐深いというか。まあ別に役人が選んだわけではないんだろうけどかなり喜劇だ)、徐々にこのマンガは変化しつつある。 初期は最低なヤンキーや、怠惰なニート、ショッパホリック(買い物中毒)に陥ったOL、パチンコ狂いのフリーターなどの生態を濃密に描き、彼らに懲罰を