地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。先の沖縄県知事選挙を機に「ファクトチェック・フェイク監視」を始めた琉球新報に迫ります。 県知事選ファクトチェック報道の舞台裏 〈虚構のダブルスコア/「偽」世論調査〉──。沖縄県知事選告示5日前の2018年9月8日、琉球新報が掲載した「ファクトチェック・フェイク監視」の最初の記事である。こんな内容だった。 県知事選を巡る世論調査の情報が飛び交っている。一方の立候補予定者(玉城デニー)への支持が、もう一方(佐喜眞淳)をダブルスコアで上回る「朝日新聞の調査」とされる数字のほか、国民民主党など複数の政党の調査でも大差がついているとの情報がある。