いわゆるLGBT法案が、なんと各党から国会に3案も提出されている。現状としては膠着状況であり、近日の解散総選挙でそのまま終わるかとも思っていた。しかし、首相の親族の「公的スペースでの撮影事件」が起こり、選挙の先行きも不透明である。個人的には、この法案は、一般に思われているよりずっと、選挙の行く末を左右する「裏テーマ」であると思っている。 なぜなら、前回のアメリカの大統領選における一つの大きな要因も、このLGBT、特にTであるトランスの対応をめぐる方針であった。朝日新聞に掲載された、アメリカの主婦のコメント――オバマの登場で政治に興味を持ったが、女子トイレに男性が入ってくるのをみて行き過ぎを感じ、今度はトランプに票を投じるといった内容だったと記憶しているが、「いかにも」という感じがした。 アメリカでは、トイレや更衣室のみならず、女子スポーツへのトランス選手の参加などをめぐって、国が2分される