地方圏に限らず大都市圏でも空き家問題が年々深刻化するなかで、新たに大量の住宅用地が生まれることが懸念されている。生産緑地における、いわゆる「2022年問題」だ。今回はこの生産緑地について現状や課題を考えてみることにしよう。 もともと都市における「市街化区域」は市街化を推し進めることが原則であり、農地についても「宅地化すべきもの」として位置付けられている。しかし、大都市にも古くから農業を続ける者は数多く存在し、関係者から農地として維持することの要望が強かったほか、社会的要請として市街地に一定の緑地を保全することも求められた。 そのため1991年3月に生産緑地法が改正され、市街化区域内で保全する農地としての生産緑地と、原則どおり宅地化を進める農地(特定市街化区域農地=宅地化農地)に分けられた。生産緑地に指定された農地では固定資産税などが一般農地と同様にきわめて低い税額に抑えられるほか、相続税の