訓読 >>> 4331 大君(おほきみ)の 遠(とほ)の朝廷(みかど)と しらぬひ 筑紫(つくし)の国は 賊(あた)守る おさへの城(き)ぞと 聞こし食(を)す 四方(よも)の国には 人(ひと)さはに 満ちてはあれど 鶏(とり)が鳴く 東男(あづまをのこ)は 出(い)で向かひ 顧(かへり)みせずて 勇(いさ)みたる 猛(たけ)き軍士(いくさ)と ねぎたまひ 任(ま)けのまにまに たらちねの 母が目 離(か)れて 若草の 妻をもまかず あらたまの 月日 数(よ)みつつ 葦(あし)が散る 難波(なには)の御津(みつ)に 大船(おほぶね)に ま櫂(かい)しじ貫(ぬ)き 朝なぎに 水手(かこ)整へ 夕潮(ゆふしほ)に 楫(かぢ)引き折(を)り 率(あども)ひて 漕(こ)ぎ行く君は 波の間(ま)を い行きさぐくみ ま幸(さき)くも 早く至りて 大君(おほきみ)の 命(みこと)のまにま ますらをの 心