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  • 【為ご参考】万葉仮名について - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    『万葉集』には、和歌だけでなく、分類名・作者名・題詞・訓注・左注などが記載されていますが、和歌以外の部分はほとんどが漢文体となっています。これに対して和歌の表記には、漢字の質的な用法である表意文字としての機能と、その字音のみを表示する表音文字としての機能が使われており、後者の用法を万葉仮名と呼びます。漢字来の意味とは関係なく、その字音・字訓だけを用いて、ひらがな・カタカナ以前の日語を書き表した文字であり、『万葉集』にもっとも多くの種類が見られるため「万葉仮名」と呼ばれます。 当時の日にはまだ固有の文字がなかったため、中国の漢字が表記に用いられたわけです。たとえば、伊能知(=いのち・命)、於保美也(=おほみや・大宮)、千羽八振(=ちはやぶる・神の枕詞)などのように、漢字そのものに意味はなく、単にかなとして用いられます。むろん、漢字の意味どおりに用いられる場合もあります。ちなみに、巻第

    【為ご参考】万葉仮名について - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2024/06/06
  • 平群女郎が大伴家持に贈った歌(2)・・・巻第17-3937~3942 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 3937 草枕(くさまくら)旅(たび)去(い)にし君が帰り来(こ)む月日を知らむすべの知らなく 3938 かくのみや我(あ)が恋ひ居(を)らむぬばたまの夜(よる)の紐(ひも)だに解(と)き放(さ)けずして 3939 里近く君が業(な)りなば恋ひめやともとな思ひし我(あ)れぞ悔(くや)しき 3940 万代(よろづよ)に心は解けて我が背子(せこ)が捻(つ)みし手見つつ忍(しの)びかねつも 3941 うぐひすの鳴くくら谷にうちはめて焼けは死ぬとも君をし待たむ 3942 松の花(はな)花数(はなかず)にしも我(わ)が背子(せこ)が思へらなくにもとな咲きつつ 要旨 >>> 〈3937〉(越中に)旅立ってしまったあなたが、いつ帰って来られるのか、その月日を知る手がかりさえも分からなくて。 〈3938〉このようにばかり、いつまでも恋い焦がれているのでしょうか。夜の衣の紐も解き放たずに。 〈

    平群女郎が大伴家持に贈った歌(2)・・・巻第17-3937~3942 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2024/02/22
  • いつもいつも来ませわが背子・・・巻第4-490~491 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 490 真野(まの)の浦の淀(よど)の継橋(つぎはし)心ゆも思へや妹(いも)が夢(いめ)にし見ゆる 491 川の上(へ)のいつ藻(も)の花のいつもいつも来(き)ませわが背子(せこ)時じけめやも 要旨 >>> 〈490〉真野の浦の継橋のように、絶えず私を思ってくれているからだろうか、夢にあなたが現れるのは。 〈491〉川のほとりのいつ藻の花のように、いつもいつも来てください、あなた。私に都合が悪いなどということがあるものですか。 鑑賞 >>> 題詞に「吹黄刀自(ふふきのとじ)が歌2首」とあるものの、490は男の歌で、491が刀自の答えた歌とされます。490の「真野の浦」は、神戸市長田区東池尻町と真野町の新湊川の河口あたりか。「淀」は、水の澱んでいる所。「継橋」は、水中に打った杭に板を継ぎ渡して作った橋。水量が増した時に取り外すようにしたものだろうといわれます。この時代の、相手を

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    hide-n64 2023/07/11
  • 柿本人麻呂、妻が亡くなった後に作った歌(3)・・・巻第2-213~216 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 213 うつそみと 思ひし時に 携(たづさ)はり 我(わ)が二人見し 出で立ちの 百枝槻(ももえつき)の木 こちごちに 枝させるごと 春の葉の 茂(しげ)きがごとく 思へりし 妹(いも)にはあれど たのめりし 妹にはあれど 世の中を 背(そむ)きし得ねば かぎろひの 燃ゆる荒野(あらの)に 白たへの 天領巾隠(あまひれがく)り 鳥じもの 朝立ちい行きて 入り日なす 隠(かく)りにしかば 我妹子(わぎもこ)が 形見に置ける みどり子の 乞(こ)ひ泣くごとに 取り委(まか)す 物しなければ 男じもの 腋(わき)ばさみ持ち 我妹子と 二人わが寝し 枕づく 嬬屋(つまや)のうちに 昼は うらさび暮らし 夜は 息づき明かし 嘆けども せむすべ知らに 恋ふれども 逢ふよしをなみ 大鳥(おほとり)の 羽易(はがひ)の山に 汝(な)が恋ふる 妹はいますと 人の言へば 岩根(いはね)さくみて 

    柿本人麻呂、妻が亡くなった後に作った歌(3)・・・巻第2-213~216 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/07/05
  • 荒墟となった恭仁京を悲しむ歌・・・巻第6-1059~1061 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 1059 三香原(みかのはら) 久邇(くに)の都は 山高く 川の瀬清み 住み良しと 人は言へども あり良しと 我(わ)れは思へど 古(ふ)りにし 里にしあれば 国見れど 人も通はず 里見れば 家も荒れたり はしけやし かくありけるか 三諸(みもろ)つく 鹿背山(かせやま)の際(ま)に 咲く花の 色めづらしく 百鳥(ももとり)の 声なつかしき ありが欲(ほ)し 住みよき里の 荒るらく惜(を)しも 1060 三香(みか)の原(はら)久邇(くに)の京(みやこ)は荒れにけり大宮人(おほみやひと)の移ろひぬれば 1061 咲く花の色は変はらずももしきの大宮人(おほみやひと)ぞ立ちかはりける 要旨 >>> 〈1059〉三香の原の久邇の都は、山が高く、川の瀬が清らかで住みよいところと人は言うけれど、私も居心地がよいところと思うけれども、今はもう古くなった里なので、国を見ても人は通わない。里

    荒墟となった恭仁京を悲しむ歌・・・巻第6-1059~1061 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/06/24
  • 菟原処女(うなひをとめ)伝説・・・巻第9-1809~1811 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 1809 葦屋(あしのや)の 菟原処女(うなひをとめ)の 八年子(やとせこ)の 片生(かたお)ひの時ゆ 小放(をばな)りに 髪たくまでに 並び居(を)る 家にも見えず 虚木綿(うつゆふ)の 隠(こも)りて居(を)れば 見てしかと いぶせむ時の 垣ほなす 人の問ふ時 茅渟壮士(ちぬをとこ) 菟原壮士(うなひをとこ)の 伏屋(ふせや)焚(た)き すすし競(きほ)ひ 相よばひ しける時は 焼太刀(やきたち)の 手かみ押しねり 白真弓(しらまゆみ) 靫(ゆき)取り負ひて 水に入(い)り 火にも入(い)らむと 立ち向ひ 競ひし時に 我妹子(わぎもこ)が 母に語らく しつたまき いやしき我が故(ゆゑ) ますらをの 争ふ見れば 生けりとも 逢ふべくあれや ししくしろ 黄泉(よみ)に待たむと 隠(こも)り沼(ぬ)の 下延(したは)へ置きて うち嘆き 妹(いも)が去(い)ぬれば 茅渟壮士 その

    菟原処女(うなひをとめ)伝説・・・巻第9-1809~1811 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/06/21
  • 朝霧のおほに相見し人故に・・・巻第4-599~601 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 599 朝霧(あさぎり)のおほに相(あひ)見し人(ひと)故(ゆゑ)に命(いのち)死ぬべく恋ひわたるかも 600 伊勢の海の磯(いそ)もとどろに寄する波(なみ)畏(かしこ)き人に恋ひわたるかも 601 心ゆも我(わ)は思はずき山川(やまかは)も隔(へだ)たらなくにかく恋ひむとは 要旨 >>> 〈599〉朝霧の中で見るように、ぼんやりと見ただけの人なのに、私はあなたに死ぬほど恋しています。 〈600〉伊勢の海にとどろく波のように、身も心もおののくような人を恋い続けているのですね。 〈601〉心にも思ってもみませんでした。間が山や川で隔てられているわけではないのに、こんなに恋い焦がれることになるとは。 鑑賞 >>> 笠郎女(かさのいらつめ)が大伴家持に贈った歌。599の「朝霧の」は「おほ」の枕詞。「おほ」は、明瞭でない状態、ぼんやりとしたさまを示す語。600の上3句は「畏き」を導く

    朝霧のおほに相見し人故に・・・巻第4-599~601 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/06/09
  • 弓削皇子と額田王の歌・・・巻第2-111~113 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 111 いにしへに恋(こ)ふる鳥かも弓絃葉(ゆづるは)の御井(みゐ)の上より鳴き渡り行く 112 古(いにしへ)に恋ふらむ鳥は霍公鳥(ほととぎす)けだしや鳴きしわが念(おも)へる如(ごと) 113 み吉野の玉(たま)松が枝(え)は愛(は)しきかも君が御言(みこと)を持ちて通はく 要旨 >>> 〈111〉過ぎ去った昔を恋い慕う鳥なのでしょうか。弓絃葉の御井の上を鳴きながら大和の方へ渡っていきます。 〈112〉あなたが「昔を恋い慕う」とおっしゃる鳥は、ホトトギスでしょう、おそらくそのホトトギスが鳴いたのでしょう、私が昔を恋い慕うように。 〈113〉吉野の松の枝の愛しいこと、あなたのお言葉も届けてくれるので。 鑑賞 >>> 111は弓削皇子(ゆげのみこ)、112・113は額田王(ぬかたのおおきみ)の歌。弓削皇子は天武天皇の第9皇子(第6皇子とも)で長皇子(ながのみこ)の弟。『万葉集

    弓削皇子と額田王の歌・・・巻第2-111~113 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/06/07
  • 石見の海角の浦廻を浦なしと・・・巻第2-131~134 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 131 石見(いはみ)の海 角(つの)の浦廻(うらみ)を 浦なしと 人こそ見らめ 潟(かた)なしと 人こそ見らめ よしゑやし 浦はなくとも よしゑやし 潟はなくとも 鯨魚(いさな)取り 海辺(うみへ)を指して 和多津(にきたづ)の 荒磯(ありそ)の上に か青く生(お)ふる 玉藻(たまも)沖つ藻 朝羽(あさは)振る 風こそ寄らめ 夕羽(ゆふは)振る 波こそ来(き)寄れ 波の共(むた) か寄りかく寄る 玉藻なす 寄り寝し妹(いも)を 露霜(つゆしも)の 置きてし来れば この道の 八十隈(やそくま)ごとに 万(よろづ)たび かへり見すれど いや遠(とほ)に 里は離(さか)りぬ いや高(たか)に 山も越え来ぬ 夏草の 思ひ萎(しな)えて 偲(しの)ふらむ 妹が門(かど)見む なびけこの山 132 石見(いはみ)のや高角山(たかつのやま)の木(こ)の際(ま)より我(わ)が振る袖(そで)

    石見の海角の浦廻を浦なしと・・・巻第2-131~134 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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  • 遠妻のここにしあらねば・・・巻第4-534~535 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 534 遠(とほづま)の ここにしあらねば 玉桙(たまほこ)の 道をた遠(どほ)み 思ふそら 安けなくに 嘆くそら 苦しきものを み空行く 雲にもがも 高飛ぶ 鳥にもがも 明日(あす)行きて 妹(いも)に言問(ことど)ひ 我(あ)がために 妹も事(こと)なく 妹がため 我(あ)れも事なく 今も見るごと たぐひてもがも 535 しきたへの手枕(たまくら)まかず間(あひだ)置きて年そ経(へ)にける逢はなく思へば 要旨 >>> 〈534〉は遠くの地にいてここにはいない。のいる所への道は遠く、逢う手立てのないまま、を思って心が休まらず、嘆くばかりで苦しくてならない。大空を流れ行く雲になりたい、高く飛ぶ鳥になりたい。そうして明日にでも行ってに話しかけ、私のためにが咎められることなく、のためにこの私も無事でありたい。今でも夢に見るように、互いに寄り添っていたい。 〈535〉

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    hide-n64 2023/05/30
  • ゆめよ我が背子我が名告らすな・・・巻第4-590~592 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 590 あらたまの年の経(へ)ぬれば今しはとゆめよ我(わ)が背子我(わ)が名(な)告(の)らすな 591 我(わ)が思ひを人に知るれや玉櫛笥(たまくしげ)開(ひら)きあけつと夢(いめ)にし見ゆる 592 闇(やみ)の夜(よ)に鳴くなる鶴(たづ)の外(よそ)のみに聞きつつかあらむ逢ふとはなしに 要旨 >>> 〈590〉お逢いしてから年月が流れ、今なら差し障りはないなどと、気軽に私の名を口になさらないで下さい。 〈591〉私の恋心を、人に知られてしまったのでしょうか。玉櫛笥の蓋が開けられてしまった夢を見ました。 〈592〉闇夜に鳴く鶴が、声ばかりで姿を見せないように、ただ聞いているだけなのでしょうか、あなたにお逢いすることもないまま。 鑑賞 >>> 笠郎女(かさのいらつめ)が大伴家持に贈った歌。590の「あらたまの」は「年」の枕詞。「今しはと」の「し」は、強意。今なら差し障りはな

    ゆめよ我が背子我が名告らすな・・・巻第4-590~592 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/05/27
  • 中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(12)・・・巻第15-3767~3770 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 3767 魂(たましひ)は朝夕(あしたゆふへ)にたまふれど我(あ)が胸(むね)痛し恋の繁(しげ)きに 3768 このころは君を思ふとすべもなき恋のみしつつ音(ね)のみしぞ泣く 3769 ぬばたまの夜(よる)見し君を明くる朝(あした)逢はずまにして今ぞ悔(くや)しき 3770 味真野(あぢまの)に宿(やど)れる君が帰り来(こ)む時の迎へをいつとか待たむ 要旨>>> 〈3771〉宮廷に仕える私は安眠もできず、お帰りを今日か今日かとお待ちしているのですが、お姿を見ることはありません。 〈3772〉赦されて帰ってきた人たちが着いたと聞いて、もうほとんど死ぬところでした。もしやあなたと思って。 〈3773〉こんなことならあなたと共にに行けばよかった。旅はつらいというけれど、残っていても同じことです。何のよいこともありません。 〈3774〉あなたが帰っておいでになる、その時のため この命

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    hide-n64 2023/05/25
  • 逢坂をうち出でて見れば・・・巻第13-3236~3238 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 3236 そらみつ 大和の国 あをによし 奈良山(ならやま)越えて 山背(やましろ)の 管木(つつき)の原 ちはやぶる 宇治の渡り 岡屋(をかのや)の 阿後尼(あごね)の原を 千歳(ちとせ)に 欠くることなく 万代(よろずよ)に あり通(がよ)はむと 山科(やましな)の 石田(いはた)の社(もり)の 皇神(すめかみ)に 幣(ぬさ)取り向けて 我(わ)れは越え行く 逢坂山(あふさかやま)を 3237(或歌曰) あをによし 奈良山過ぎて もののふの 宇治川(うぢがは)渡り 娘子(をとめ)らに 逢坂山(あふさかやま)に 手向(たむ)けくさ 幣(ぬさ)取り置きて 我妹子(わぎもこ)に 近江(あふみ)の海の 沖つ波 来(き)寄る浜辺(はまへ)を くれくれと ひとりそ我(あ)が来る 妹(いも)が目を欲(ほ)り 3238 逢坂をうち出(い)でて見れば近江(あふみ)の海(み)白木綿花(しら

    逢坂をうち出でて見れば・・・巻第13-3236~3238 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/05/24
  • 龍の馬も今も得てしか・・・巻第5-806~809 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 806 龍(たつ)の馬(ま)も今も得てしかあをによし奈良の都に行きて来(こ)むため 807 うつつには逢ふよしもなしぬばたまの夜(よる)の夢(いめ)にを継(つ)ぎて見えこそ 808 龍(たつ)の馬(ま)を我(あ)れは求めむあをによし奈良の都に来(こ)む人のたに 809 直(ただ)に逢はずあらくも多く敷栲(しきたへ)の枕(まくら)去らずて夢(いめ)にし見えむ 要旨 >>> 〈806〉龍の馬でも今すぐにでも手に入れたい。故郷の奈良の都にたちまちに行って、たちまちに帰ってくるために。 〈807〉現実にはお逢いする手だてはありませんが、せめて夢の中にだけでも絶えず見えてください。 〈808〉龍の馬は私が探しましょう。それに乗って奈良の都に帰ろうとなさっている方のために。 〈809〉じかにお逢いできない日々が重なり、仰せのように、あなたの枕元を去らずに、夜ごとの夢にお逢いしましょう。

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    hide-n64 2023/05/22
  • 我が恋ひわたるこの月ごろを・・・巻第4-588~589 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 588 白鳥(しらとり)の飛羽山(とばやま)松の待ちつつぞ我(あ)が恋ひわたるこの月ごろを 589 衣手(ころもで)を打廻(うちみ)の里にある我(わ)れを知らにぞ人は待てど来(こ)ずける 要旨 >>> 〈588〉白鳥の飛ぶ飛羽山の松ではありませんが、あなたのおいでになるのを待ちながら、ずっと慕い続けています、この何ヶ月間も。 〈589〉打廻の里に私が住んでいることをご存知ないために、いくらお待ちしても来て下さらなかったのですね。 鑑賞 >>> 笠郎女(かさのいらつめ)が大伴家持に贈った歌。588の「白鳥の」は「飛ぶ」と続けて「飛羽山」の枕詞。「飛羽山」は、山城国の鳥羽山か。上2句が「待つ」を導く序詞。「月ごろ」は、幾月か。589の「衣手」は、衣を打つことからくる「打廻」の枕詞。「打廻の里」は、所在未詳。「知らに」は、知らないので。家持が郎女の家を知らないはずはなく、家持があま

    我が恋ひわたるこの月ごろを・・・巻第4-588~589 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/05/15
  • 中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(11)・・・巻第15-3763~3766 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 3763 旅と言へば言(こと)にぞやすきすべもなく苦しき旅も言(こと)にまさめやも 3764 山川(やまがは)を中に隔(へな)りて遠くとも心を近く思ほせ我妹(わぎも) 3765 まそ鏡(かがみ)懸(か)けて偲(しぬ)へと奉(まつ)り出(だ)す形見(かたみ)のものを人に示すな 3766 愛(うるは)しと思ひし思はば下紐(したびも)に結(ゆ)ひつけ持ちてやまず偲(しの)はせ 要旨 >>> 〈3763〉旅と言えば口で言うのはたやすいが、さりとて、どうしようもなく苦しいこの旅は、旅という言葉よりほかに表しようがあろうか、表わせはしない。 〈3764〉山や川を隔てて、身は遠く離れてはいるが、心は近くにいると思ってください、わがよ。 〈3765〉まそ鏡を掛けるように、心に懸けてかけて偲んでほしいと贈る形見の品を、他の人には見せないで下さい。 〈3766〉この形見の品を愛しいと思ってくれ

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    hide-n64 2023/05/14
  • 遣新羅使人の歌(11)・・・巻第15-3648~3651 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 3648 海原(うなはら)の沖辺(おきへ)に灯(とも)し漁(いざ)る火は明かして灯(とも)せ大和島(やまとしま)見む 3649 鴨(かも)じもの浮寝(うきね)をすれば蜷(みな)の腸(わた)か黒(ぐろ)き髪に露そ置きにける 3650 ひさかたの天(あま)照る月は見つれども我(あ)が思(も)ふ妹(いも)に逢はぬころか 3651 ぬばたまの夜(よ)渡る月は早も出(い)でぬかも海原(うなはら)の八十島(やそしま)の上(うへ)ゆ妹(いも)があたり見む 要旨 >>> 〈3648〉海原の沖にともる漁船の火よ、もっと明々とともせ。その光で遠くに大和の山々が見えるだろうから。 〈3649〉まるで鴨のように波に漂う船で眠れば、黒々とした私の髪が夜露に濡れてしま ったことだ。 〈3650〉はるかな空に照り輝く月は見えたけれども 私が恋しく思うに逢えない日々が続くなあ。 〈3651〉夜空を渡る月が

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    hide-n64 2023/05/13
  • 何かここだく我が恋ひ渡る・・・巻第4-656~658 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 656 我(わ)れのみぞ君には恋ふる我(わ)が背子(せこ)が恋ふといふことは言(こと)のなぐさぞ 657 思はじと言ひてしものをはねず色のうつろひやすき我(あ)が心かも 658 思へども験(しるし)もなしと知るものを何かここだく我(あ)が恋ひ渡る 要旨 >>> 〈656〉恋しいと思っているのは私ばかり。あなたが恋しいと言うのは口先ばかりです。 〈657〉思うまいと口に出して言ったのに、はねずの花の色のように変わりやすい私の心です。 〈658〉いくら恋しく思っても、何の甲斐もないと知っているのに、どうしてこんなに私はずっと恋し続けているのでしょう。 鑑賞 >>> ここの歌は、「大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の歌六首」とあるうちの3首。 656の「言のなぐさ」は、口先だけの慰め。「気休めのような甘い言葉は要らない、あなたの当の気持ちが見えないの」と訴えかけていま

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    hide-n64 2023/05/12
  • 大伴旅人の従者の歌(2)・・・巻第17-3890~3894 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 3895 玉映(たまは)やす武庫(むこ)の渡りに天伝(あまづた)ふ日の暮れ行けば家をしぞ思ふ 3896 家にてもたゆたふ命(いのち)波の上(へ)に浮きてし居(を)れば奥処(おくか)知らずも [一云 浮きてし居れば] 3897 大海(おほうみ)の奥処(おくか)も知らず行く我(わ)れをいつ来まさむと問ひし子らはも 3898 大船(おほぶね)の上にし居(を)れば天雲(あまくも)のたどきも知らず歌ひこそ我(わ)が背(せ) 3899 海人娘子(あまをとめ)漁(いざ)り焚(た)く火のおほほしく角(つの)の松原(まつばら)思ほゆるかも 要旨 >>> 〈3895〉武庫の渡し場で、あいにく日が暮れていくものだから、いっそう家のことが思われてならない。 〈3896〉家にいてさえ揺れ動くわが命なのに、波の上に揺られて思うに、これから先どうなるのやら不安でならない。 〈3897〉大海の、行き着く果て

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  • 大伴旅人の従者の歌(1)・・・巻第17-3890~3894 - 大和の国のこころ、万葉のこころ

    訓読 >>> 3890 我(わ)が背子(せこ)を我(あ)が松原(まつばら)よ見わたせば海人娘子(あまをとめ)ども玉藻(たまも)刈る見ゆ 3891 荒津(あらつ)の海(うみ)潮(しほ)干(ひ)潮(しほ)満(み)ち時はあれどいづれの時か我(わ)が恋ひざらむ 3892 礒(いそ)ごとに海人(あま)の釣舟(つりふね)泊(は)てにけり我(わ)が船(ふね)泊(は)てむ礒(いそ)の知らなく 3893 昨日(きのふ)こそ船出(ふなで)はせしか鯨魚取(いさなと)り比治奇(ひぢき)の灘(なだ)を今日(けふ)見つるかも 3894 淡路島(あはぢしま)門(と)渡(わた)る船の楫間(かぢま)にも我(わ)れは忘れず家をしぞ思ふ 要旨 >>> 〈3890〉あなたが私を待つという名の、その松原から見わたすと、海人娘子たちが玉藻を刈っているのが見える。 〈3891〉荒津の海では、引き潮、満ち潮それぞれに決まった時があるけれ

    大伴旅人の従者の歌(1)・・・巻第17-3890~3894 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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    hide-n64 2023/05/10