中国海軍艦艇が海上自衛隊艦艇などに射撃管制用レーダーを照射したことで中国側は東シナ海での威嚇をさらにエスカレートさせたといえる。レーダー照射は「極めて特異な事例」(小野寺五典防衛相)のため政府は危機感を強めている。 菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は5日の記者会見で、中国の海洋監視船2隻が4日に沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入し、過去最長の14時間以上も侵入を続けたことを「極めて遺憾だ」と批判。斎木昭隆外務審議官は中国の程永華駐日大使を呼んで抗議の上、自制を求めた。 政府は昨年9月に尖閣諸島を国有化して以降、海洋監視船など中国公船の領海侵入についてはその都度発表してきた。だが実は、尖閣周辺では昨年9月以降、中国海軍艦艇と海自艦艇のにらみ合いも常態化している。 その位置関係はこうだ。 尖閣周辺の日本領海(22キロ)には海保巡視船が配置され、領海の外側に設定された接続水域(44キロ)から領海内