第101回 東大の「産業総論」で露呈 日本人の知力崩壊が始まった 私はこの10年来、東大工学部の「産業総論」というオムニバス授業の1コマを受け持っている。この授業は、さまざまの産業界の現場にいる人が入れ代り立ち代り登場しては、それぞれの産業界の現状と未来について語るという授業で、私の担当は、日本のメディア・ジャーナリズム界についてである。 授業の評価は、「どの産業界についてでもよいから、その未来について思うところを述べよ」という課題でなされる。 プログラミングコンテストで勝てない日本 オムニバスだから、基本的評価は学科の担当教官にお願いして、優秀な答案だけ読ませてもらった。低レベルの答案は読むだけ時間のムダだが、優秀な答案は、学生のものでもなかなか考えさせる内容を含んでいて面白いのである。 今回は、計数工学科のT・S君の答案を読んでいて、ウーンと考えこんでしまった。 彼はプログ