地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。 「小学生の頃、父が重い病気になって。父は手術を繰り返しながら働いていたんですけど、いつもお金に余裕がない家庭で育ちました。 家族全員が苦しい状況だったので、ずっと自分の感情や意見を両親に伝えられませんでした。それが原因で、精神的な疾患を抱えるようになったんです。 両親は精神疾患に関して理解がなくて、うまくコミュニケーションがとれない。結局、家族と一緒にいても自分の意見を言えず、精神的な状態も改善しないと思ったので実家を出ました。 いまは支援団体が運営するシェルターで暮らしています。大学を休学して就職活動をしているんですけ