ブックマーク / magazine-k.jp (9)

  • 第4回 デジタル時代はマンガ編集者を変えるか?

    旧来のマンガ編集者の役割 長年、日のマンガ業界、とくに雑誌では、マンガ家と編集者、あるいはマンガ家と原作者、編集者がタッグを組んでひとつの作品を生み出してきた。マンガ家と編集者は企画について話し合い、編集者は必要な資料を集めたり取材の手配をしてマンガ家をサポートする。 「新連載でボクシングの6回戦ボーイを主人公にしたい」というマンガ家・ちばてつやの希望をきいた「週刊少年マガジン」の担当編集者・宮原照夫が、原作者の梶原一騎を紹介し、そこから名作『あしたのジョー』が生まれたというエピソードはあまりにも有名だ。 編集者とマンガ家がアイディアを出し合い、マンガ家や原作者がそのアイディアをシノプシスにまとめあげて、ネーム原稿(セリフと大まかなコマ割りが入った状態)が上がれば、マンガ家の仕事場や近所のファミレスなどでさらにブレスト。マンガ家は、編集者のダメ出しをもとに修正を加えて、OKが出ればいよい

    第4回 デジタル時代はマンガ編集者を変えるか?
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    hide_nico 2017/09/01
  • 貧困から図書館について考える

    3月8日、著書『生活保護リアル』(日評論社)にまとめられたネット連載など、生活保護についての多角的な報道を重ねた功績で貧困ジャーナリズム大賞2014を受賞されたみわよしこさんと、『困ったときには図書館へ~図書館海援隊の挑戦〜』(悠光堂)の著者である神代浩さんによる、第4回LRGフォーラム「貧困図書館 困ったときに頼れる図書館へ」を聞きに行った。貧困図書館生活保護図書館。一見不思議かもしれないこの組み合わせの接点とは何なのか。 しかしこの問いに入る前に、そもそも図書館とは何かということを考えてみたい。登壇者のお一人である神代さんは文科省の社会教育課長時に、住民がかかえる問題の解決を助ける各地の図書館を応援するための図書館海援隊という取り組みを始めた方である。私は神代さんの活動を最初に知ったとき、先に社会問題があって、そこから図書館に何ができるのか考える、という点に魅力を感じた。 先

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    hide_nico 2015/04/02
  • リアル書店で電子書籍を売るO2O事業が続々登場

    一般社団法人日出版インフラセンター(JPO)は6月16日、有隣堂ヨドバシAKIBA店で、「リアル書店における電子書籍販売実証事業」のメディア向け説明会を行いました。昨年12月22日に朝日新聞が「めざせ『ジャパゾン』」と報じたコンソーシアムが、実際に動き出したというわけです。 私は当時この報道を受け、「マガジン航」へ「リアル書店で電子書籍を売るということ」という記事を寄稿しました。「なぜいまさらコンソーシアムで実証実験?」と批判をした以上、どういう形で世に送り出されることになったかを確認する義務があると思い、説明会へ行ってきました。 有隣堂ヨドバシAKIBA店に足を踏み入れると、電子書籍カード「BooCa」のコーナーはすぐに目に付きました。なにせ、この大きさ。非常に目立ちます。まるでトレーディングカード売り場のようです。新刊が並んでいた棚を一つまるごと撤去し、カード展示用のブースに入れ替え

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    hide_nico 2014/07/14
  • アマゾンは天使でも悪魔でもない

    ……そして意地悪をしているわけでもない。寡占市場のリーダーとしてやるべきことをやっているだけ、だから恐いのだという話。 米アマゾンと大手出版社のアシェット(Hachette Book Group)のあいだでの仕入れ値をめぐって交渉が難航、今月に入ってからアマゾンは、アシェットのをトップページのキャンペーンから外したり、類似書の推薦欄に他社のを表示したり、買おうとすると「入荷は3〜5週間先」という表示になったり、これから出る新刊が予約できなくなったり……という措置に出た。どう見ても露骨なイジメに見えるわな。 とりあえず「七掛け」(もちろん出版社によって率は異なるが)で取次に好きなだけを卸せる日と違って、アメリカではどこの出版社もこうやって書店や量販店を相手に、定期的に卸値のディスカウント率(日で言う「掛け値」)を決めるのだが、アマゾンが出現する前はもう少しのんびりしていた。5年

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    hide_nico 2014/05/27
  • 「日の丸プラットフォーム」の本質を見誤るな

    5月14日、KADOKAWAとDWANGOが経営統合を発表した。この合同発表会はニコニコ生放送にアーカイブされており、その概要も既報なので割愛するが、日経済新聞が「サブカルコンテンツをクールジャパンとして海外に発信」と報じたことに大きな違和感を覚えた(5月15日付「グーグルに挑む角川ドワンゴ連合 世界制覇の勝算 」)。クールジャパン推進会議の委員にも名を連ねた角川歴彦氏が、メディアに対して「日の丸プラットフォーム」を目指すと語ったことによる連想だと推測するが、正直ひどい誤解だと思う。 もちろん、そういった挑戦も今後取り組まれることの一端にはあるはずだが、今回の統合を「クールジャパンを発信」というキーワードで括ってしまっては質を大きく見誤ることになる。 この経営統合は、スマートフォンの普及に端を発した出版環境の激変に対する、出版「社」としての最適解だったと捉えるべきだ(社に括弧を付けてい

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    hide_nico 2014/05/19
  • 電子書籍の値段は誰が決めるべきか?〜「電書再販論」に思うこと

    盛り上がる「電書再販論」 電子書籍にも紙の書籍と同様、再販制度を適用すべきだ、という議論が、一部で盛り上がりを見せている。主な舞台となっているのは、業界誌「出版ニュース」(出版ニュース社)だ。 2013年8月下旬号で、鈴木藤男氏(NPO法人わたくし、つまりNobody副理事長)の「電子『書籍』の再販について考える」という寄稿文を掲載したのを手始めに、同12月中旬号には、落合早苗氏(hon.jp代表取締役)による「いま、なぜ電子書籍に再販が必要なのか」、2014年1月上・中旬号では、高須次郎氏(日出版者協議会会長、緑風出版代表)「紙と電子の再販制度を考える」と、賛成論を連続して取り上げている。 実は筆者も、同誌1月上・中旬号から、「Digital Publishing」というコラムを隔月で担当させていただいている。その連載の中で、電子書籍実務者の立場からは、再販制度の適用が喫緊の課題とは考

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    hide_nico 2014/03/27
  • ワシントン・ポストをベゾスが買ったワケ

    アマゾンCEOのジェフ・ベゾスがワシントン・ポスト紙を買収、というニュースに椅子から転げ落ちた。ポストの記者もI was floored.とツイッターでつぶやいていたので、誰にとっても青天の霹靂といったところだろう。 私は一瞬「アマゾンが?」と思ったのだが、これは間違いで、一説には250億ドルとも言われるベゾスの個人資産の中からワシントン・ポスト紙とその関連企業を2億5000万ドルで買い取ったという話。ってことは彼にとってはこの大金もお財布の1%というハシタ金。1万円持ってたから100円使ったった、みたいな。 とりあえずこのニュースのバックグランドを説明しよう。どういう影響がありそうかも。 首都ワシントンのリベラル系老舗紙 ワシントン・ポストは言わずと知れた創業135年という老舗。ニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズと並び全米で影響力の大きい新聞で、社が首都ワシントンというのも

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    hide_nico 2013/08/07
  • 無料貸本屋でどこがわるい?

    PR誌『みすず』に連載中から愛読していた宮田昇さんの文章が『図書館に通う』というにまとまった。「当世『公立無料貸屋』事情」というサブタイトルがついている。 著者は私のちょうど十歳上。戦後まもなく就職した早川書房からタトル商会に移り、米軍占領下にはじまる混乱した著作権問題に素手でとりくみつづけた方である。そのあたりのことは私もすでに『翻訳権の戦後史』や『戦後「翻訳」風雲録』などの著書で知っていた。その出版界の大先達が、いまや私同様、ひとりの退職老人として公立図書館のヘビーユーザーと化していたとはね。 ほどなく消えてゆく身で、手持ちのをこれ以上ふやしたくない。経済的な事情もまったくないわけではないらしい。退職老人の後輩としては、そうした著者のつぶやきの一つひとつが身にしみる。 仕事をやめた宮田さんは、暇にまかせて、じぶんの街の図書館で高村薫や宮部みゆきや桐野夏生の作品をまとめて読み、これ

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    hide_nico 2013/07/09
  • くすみ書房閉店の危機とこれからの「町の本屋」

    地下鉄東西線の大谷地駅を降りると幹線道路沿いに大型電気店とパチンコ店、ショッピングモールが見える。どこにでもある何の変哲もない郊外だ。強いて言えば6月末でも夕方になると肌寒い点が札幌らしさかもしれない。そのショッピングモールの一角に次々と斬新で画期的な企画で成功を収め、メディアを通じて全国からも注目を集める「町の屋さん」、くすみ書房は店をかまえている。 地域とのことを考え続けるくすみ書房の経営者、久住邦晴氏(以下久住氏)は、柔和な表情で筆者を出迎えてくれた。 戦後間もない1946年、札幌の中心部から離れた琴似の商店街でくすみ書房は開店した。どこにでもあるような町の屋さん、つまり地域に根づいた書店であった。地元の学校の教科書も取り扱った。順調に営業していたくすみ書房だったが、それまでその終着駅だった地下鉄東西線が琴似から延長された。1999年だった。売上が激減した。 しかし、それは何も

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    hide_nico 2013/06/25
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