次世代型路面電車(LRT)の軌道設備で電力ケーブル約300メートル分が盗まれた事件で、宇都宮市は22日、被害額は約550万円に上ると発表した。8月の開業に向けた試運転を含め、今後の予定に影響はないという。 市LRT整備課によると、被害に遭った場所は竹下町の飛山城跡-清陵高校前停留場間で、国道408号と交差する高架の部分。壁やフェンスを乗り越えないと立ち入れない場所だった。 ケーブルは軌道脇の側溝に3本敷設されており、そのうち2本で各150メートルが盗まれた。市が21日にLRT全区間を調査したところ、ほかに被害はなかった。 復旧工事は今月中に開始でき、1週間ほどで完了する見込み。市は当面の対策として、LRT運行会社「宇都宮ライトレール」と連携し巡視回数を増やす。 佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「大変残念だ。さらなる監視体制構築の検討を指示した。あらゆる手段を講じて対策を取りたい」と話した。