小松氏によれば、警察は本質的に暴力装置であるのだから(同じく暴力装置という側面を持つ外科手術と同様に)、その活動についてはメリットとデメリットを常に考えなければならない。しかし警察官は医療について、一般の患者と同様の認識しかもっておあらずメリットとデメリットを判断するための知識をもたない。それにもかかわらず、2002年ごろより、警察が医療現場に踏み込むことが多くなった。そのため、従来であれば民事事件でおわったはずの紛争が、簡単に刑事事件になるようになってきている。その過程でのメディアの報道はほとんど(医師に対する)人格攻撃であり、送検前に実質的に罰をうけたのと同じ状態になる。医療行為は普通のまじめな医療従事者にとっても危険なものになってきてしまっている。 しかし小松氏は同時に、民事裁判は立証責任や訴訟費用などの問題で、患者側からは敷居が高いのだから、行き場のない患者が警察に訴えるようになっ