イチロー選手らのバット作りを手掛けた職人で、今年4月に引退した久保田五十一(いそかず)さん(71)が、滋賀県甲賀市の手打ちそばの店で「第二の人生」を歩んでいる。店で使っているのは、自身が熟練の技で作った麺棒。久保田さんは接客をしたり、そばをゆでたりして店に立ち、「お客さんにおいしいそばを食べてもらいたい」と意気込む。【村瀬優子】 【イチロー、松井氏ら支え…】名匠・久保田さん 信頼集めた0.1ミリ単位の技術 久保田さんは「ミズノテクニクス」(岐阜県養老町)で、イチロー選手や松井秀喜さん、元阪神のランディ・バースさんら強打者のバット作りを担当した。正確な技術には定評があり、「現代の名工」にも選ばれた。 麺棒作りを始めたのは、同社の嘱託社員になっていた2009年から。バットには重量基準があり、製材しても使えない木材が出ることから、有効活用のため思いついた。以来、退職までに約1000本を製作。