1997年の神戸連続児童殺傷事件で、中学3年だった加害男性を医療少年院送致とした神戸家裁の決定全文を月刊誌に提供した井垣康弘弁護士(76)について、大阪弁護士会は13日、業務停止3カ月の懲戒処分にした。 井垣弁護士は決定をした裁判官。 大阪弁護士会によると、決定全文は月刊文芸春秋2015年5月号に掲載され、男性の成育歴や犯行前後の心情などが明らかになった。井垣弁護士は同年8月号に担当裁判官として知り得た事実を含む記事を執筆した。 これについて、同弁護士会は「守秘義務や少年法の趣旨に反する。関係者に多大な苦痛を与えかねず、法曹としての倫理に反する」と判断した。 井垣弁護士は処分に対し「男性の更生と世間の認識を改めさせるために全文の公表は避けられないと思い続けていた。全く納得できない」とコメントした。