→紀伊國屋書店で購入 「柄谷ファンクラブをめぐって」 せっかく柄谷行人のものをとりあげるなら『探究I』とか『探究II』とか『トランスクリティーク』とか、あるいは『日本近代文学の起源』など、堂々とそびえ立つ記念碑的な作品から選ぶべきなのかもしれないが、本書後半に掲載された座談会中の次の一節に出くわして、この本を話題にしてみたくなった。浅田彰や大澤真幸らを相手にNAM運動の失敗について振り返った部分である。 NAMがうまくいかなかった理由の一つは、まずインターネットのメーリングリストに依存しすぎたことです。(中略)もう一つは、運動に経験のある未知の人たちに会って組織すべきだったのに、僕の読者を集めちゃったわけね。インターネットでやればどうしてもそうなる。それで、柄谷ファンクラブみたいになってしまった(笑)。しかし、ファンクラブというのは実は互いに仲がわるいうえに、僕に対して別に従順ではなくて、