高校1年生だった今から20年ほど前の話。 好きな女の子ができた。 学校の廊下を歩いている彼女を見て、胸を撃ち抜かれた。 一目惚れだった。 自分とはクラスも違うし、接点がほとんどない子だったが、友人の協力もあって、マンガを貸し借りをすることになった。 先生に見つからないように数冊ずつ袋に入れて学校へ持っていき、放課後のちょっとした時間だけ手渡しでマンガを渡す。 読み終わったマンガには、たまに手紙が入っていて、学校生活や日常生活の他愛のない話が綴られていた。 マンガの貸し借りが終わるころ、週に1、2度、夜に長電話で会話をするようになっていた。 そうこうしているうちに、月に1度、週末に映画を見る関係になっていた。 自分としてはデートのつもりだったが、奥手だったこともあり、映画を見に行ってファストフード食べて、公園で喋って夕方には帰るという清純なお付き合い。 手を握ったこともなかった。 自分として