インターネットがなかった頃、SNSのような役割を果たしていたのが新聞の投書欄でした。朝日新聞で「声」として続く投稿欄ができて、まもなく100年。じつは過去に採用された中には、文豪や政治家、俳優など著名人もたくさんいます。最近では一般の人にまじって紙面掲載された内容が、ネットを巻き込んで盛り上がることも。話題になった投稿を振り返ります。 渡辺謙さん31歳、病床から投稿 25年前から、今なお読者に語り継がれている「声」があります。1991年1月17日、米軍を中心とする多国籍軍がイラクを空爆した湾岸戦争。その翌月の2月7日、俳優・渡辺謙さんの投書が紙面に載りました。当時、31歳だった渡辺さんは急性骨髄性白血病で闘病中でした。 タイトルは「命の大切さを私は訴えたい」。病床からのメッセージは、大きな反響を呼びました。他の読者の投稿にたびたび引用され、今年3月にも「渡辺謙さんの反戦、今も共感」という主