蒸着とスパッタはともに、ナノ単位の薄膜を量産するのに向いた薄膜製造技術で、使われる最終製品もかぶることが多い手法です。薄膜を製品や部品に成膜する必要が出てきたとき、どちらの成膜手法を採用すべきか一概には言えないことも多く、あるいは同等の薄膜をどちらでも作ることが出来るケースもあることから、昨今では成膜装置メーカーがどちらに注力しているのかという点がそのまま成膜手法のポピュラリティにつながっている感があります。 蒸着とは、真空中で材料に電子ビームや熱を加えて、それらを基板に膜付けする方法です。イメージとしては、電子ビームを照射された材料が分子レベルまで分解して、真空中をゆっくり移動し、基板の上に降り積もっていくような手法です(構造上、材料が下に置かれ、基盤の設置されるドームは上部にあるため、雪などが降り積もるのとは逆方向になりますが・・)。 対してスパッタとはチャンバー内に充填されているAr