真言宗の総本山、高野山金剛峯寺(こんごうぶじ)(和歌山県高野町)で来月開かれる行事に、天台宗の半田孝淳(こうじゅん)座主(ざす)が参拝することが分かった。天台宗トップの高野山への公式な訪問は、日本に真言宗、天台宗が伝わった平安時代以来初めて。1200年間を通じて初めてとなる歴史的な参拝をそれぞれの事務方では、「相互理解のためになる」と歓迎している。 両宗派のトップ交流をめぐっては、天台宗を伝えた最澄と、真言宗を伝えた空海の交流をめぐる逸話が有名。2人はともに中国(唐)で仏教を学んだ留学仲間で、帰国後も交流を続けていた。しかし、晩年には教えや修行をめぐる考えの違いから確執が生まれ、絶縁状態になった経緯がある。経典を借りようと弟子を派遣した最澄に対して、空海が激しい内容の手紙で貸し出しを拒否し、交流が途絶えたと伝わっている。 天台宗務庁によると、天台座主の高野山参拝は、過去に私的にはあった