京都市左京区鹿ケ谷にある[法然院]は、江戸時代初期の延宝8(1680)年に創建された古刹です。閑静なたたずまいのお寺ですが、境内や講堂はアーティストたちによる作品発表をはじめ、市民団体によるシンポジウムや公開講座の場として、1年を通して利用されています。誰でも自由に利用できることから、スケジュールは来年までギッシリ詰まっているとのこと。現在の[法然院]貫主(かんす)を務める梶田真章(しんしょう)さんを訪ね、お寺を市民にオープンにしている意義、そして今の社会におけるお寺の役割についてお聞きしました。 Q.[法然院]を市民にオープンにするようになったいきさつを教えてください。 まず、多くの人々に[法然院]を訪れてもらい、「自由な立場で出会うことの出来る場所を提供したい」という思いがありました。先代である父が亡くなった跡を継いで、私が住職になったのは1984年、27歳の時でした。その頃、寺の