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  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  24 「一見(いちげん)さんの言葉が信用できた言うんは、 何でですんや?」 龍蔵が問うた。 「確かにお客さんの言う事が正しいと思うたんです。 と言いますのも、お客さんがタネさんの店に行って話してた時、 タネさんは田舎が長崎やと答えたらしいんです。 同郷やと感激したお客さんが、 いろいろと質問しても答えられん、 長崎弁で話したらチンプンカンプン、 近所に林田いう家は無かったかと言うとそんなん知らん。 長崎には林田姓が多いんです。 お客さんは、こいつは偽物の長崎人やと見抜いて、 うっぷん晴らしにウチの店にやってきたんです」

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/08/24
    嘘つき女……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  23 「あんたとタネさんの事は分かったけど、 真一さんはどないなりましたんや?」 龍蔵が問い詰めた。 「心は話しとう無いんやけど、 話せんと相談する意味が有りませんわな」 煮え切らん話や。 「今まで話してくれたんには、それなりの理由が有ったはずや。 明治時代の話が中心やったから、 話に出てきた主人の宗右衛門さんや、 男衆(おとこし)の哲造ハン、 女中のカネさんも亡くなってるやろうけど、 真一ハンはあんたと違わん年齢や、 現に母親のタネさんが元気で飲み屋をやってるんやから、 真一ハンは生きてなおかしい、そうですやろ」 龍

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/08/23
    真一さんは……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  22 「龍蔵さん、これが平尾家の一部始終です、 ここまで話したら大体のようすは解ってもらえたと思います」 桃さんが頭を下げた。 「まだ話が終わってませんがな、 何やそこらの公園でやってる紙芝居みたいで、 ええとこまで来たら今日はお終いまた明日みたいですがな。 その後真一さんはどうなりましたんや、 平尾家はどうなりましたんや?」 龍蔵が問い詰めた。 「実は話を終わらせたのは、 私が頼りにしていた哲造さんや、カネさん他、 男衆(おとこし)さんらと、 女中さん全員がお暇を申しつけられたんです。 父の商売が芳しくなく、給金が払え

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/22
    飲み屋でも……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  21 「有りました、変だなと思った事が、 私の聞き違いかどうか定かでは有りませんが、 出くわしたように突然飛び出したので、 驚いたせいかもしれません。 声が女性の声に聞えたんです。 それに、逃げるように蔵に姿を消したのですが、 その姿が着物の裾を押え女性の仕草のように見えたんです。 私は、長年世間と交わらない男性はひ弱になり、 女性化するのかと考えました。 『やっぱりそうですか、 私は森の立木にのぼって手入れをする際、 真一さんのお姿を時たま目にするんですが、 最近少し身長が小さくなった気がするんです。 前かがみ加減で歩

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/21
    女性の声……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  20 「カネさんに断られた理由もはっきり理解できず、 悶々とした日が続きました。 『真一さんのことは、屋敷の重大な秘密』 カネさんが言った秘密とは何だろう。 一人何やこれやと考えてみたところで、 答えらしきものは見つかりません。 この答えは、父に聴いても答えてくれないでしょう。 カネさんが言った、真一さんのことが明るみになる頃には、 父やカネさんが亡くなってからだと……。 よほど重大な秘密で、 墓場まで持っていく気なのだとため息をつきました。 でも重大な秘密と聞いただけで探究心に火がつきます。 父は私に告げました、将来の

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/20
    墓場まで……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  19 「カネさんお願いがあります、 実は昨日、手水場に行った折、 偶然真一さんらしき人とお会いしました。 真一さんは驚いたのか急いで蔵の中に入って、 扉を閉めてしまいました。 申し訳ない気持ちで昨晩は眠れませんでした。 カネさんが事を運んで行くときにお手伝いをさせてもうて、 真一さんに会うことができたら充分謝ろうと思うてます。 私を一緒に連れて行ってもらえませんか? 私は、畳に頭を押し付けるようにしてお願いしました」 『お嬢さんにそこまで頭下げられたら断るわけにいかんけど、 事と事情によります。 私は、旦那様が四国で材

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/19
    秘密は……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  18 「私は思い切って森から飛び出しました。こ、こんにちは……。 後が続きませんでした。 その時です真一さんが急に駆け出して, 私の横をすり抜けるように急いで蔵の中に消えたのです。 私は呆気にとられて呆然と見ていました。 急に声をかけたんで驚いたんかと反省しました。 でも驚いたのは当然かもしれませんが、 気になることが有りました。 出くわした時の驚きの声が女の声に聞えたのと、 急いで駆け出した姿が、 着物の裾を押え女の仕草のように感じたことです。 見間違ってはいませんが、 長年蔵に閉じ込められた状態で、 男の逞(たくま)

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/18
    こんにちは……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  17 「私は、真一さんとの初対面に興奮してたんでしょうか、 薄暗くなった森に潜んでても、恐怖心は覚えませんでした。 いくら戸籍上が兄妹と言うても、全く血のつながりが有りません。そんなことが脳裏に有ったんで、 胸の高まりとともに何かに期待する心が有ったのだと思います。時間が刻々と過ぎていきますが、何の苦痛も感じませんでした。むしろ早くに現れて期待外れに終わるよりましでした。 真一さんの火傷(やけど)の痕も、 みんなが騒ぐほどの事では無い気がしてきました。 胸の内では優しい王子様を思い描いていたんやと思います。 あまり遅いん

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/17
    真一さんが……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  16 「私は、偶然出会ったような自然な形が良いように思いました。 それにはどうしたら良いか、 散々考えた結果、真一さんが手水場へ行くのを見届けて、 蔵に帰って来る石畳の上で、 偶然出くわしたように装うえばと思慮したんです。 胸が高鳴る私は、部屋で鏡台の前に座ってました。 まるで恋い焦がれる人に会うようですが、 女の性が出たのかもしれません。 普段は化粧などしない私が、 鏡台の前に座る自分が不思議に思えたくらいです。 慣れない手つきで化粧を終えた私は、森の中に分け入りました。真一さんはいつ現れるかもしれません。 早く出て来

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/16
    化粧を……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  15 「桃さんに何を期待したかと言いますと、 桃さんが話し相手にでも言われたことで気づいたんです。 確かに話し相手ができれば、 気分が晴れ生きる意欲もわいてきます。 しかも戸籍上は兄妹です、 真一さんにとって大変力強い味方の出現です。 真一さんは、 すでに手水場に行く桃さんを目撃してる可能性があります。 あれは誰なのか? 思い悩んでる可能性が有ります。 会いたい気持ちは理解できますが、 事を急いではいかんと思います。 子供のころから長い年月、隔離された状態で生活してきました。急に話し相手になると告げても、 拒否反応を示す

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/15
    兄妹……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  14 「旦那様が恐れたのは、 真一さんの父親が殺人鬼である現実です。 殺人鬼の血が流れている。 もし何事か起これば只では済まない。 身の破滅を恐れた旦那様は、 火傷(やけど)を口実に蔵に隔離する方法を選んだんです。 真一さんにとっては、外に出歩くことが無かったのですから、 苦にもなりませんでした。 頭巾ですが、もし客人が手水場(ちょうずば)に立った際、 真一さんと出くわすかもしれません、 その時に頭巾をしてないと客が驚くと考えました。 その場の用心のためなんです。 これも火傷の顔が他人に触れない処置ですので、 真一さんに

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/08/14
    殺人鬼の……
  • | 東本京史 「トラちゃん文庫」

    higashimoto28
    higashimoto28 2016/08/13
    犯人の血が……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  12 「犯人の男は日刀や猟銃で武装して、 自宅にいた祖母を斧(おの)で切りつけ殺害、 その後二時間にわたって村中を徘徊、 近隣の家屋を襲撃して、村人を殺害してまわりました。 死者数三十五人、 日の犯罪史上最大の大量殺人事件となりました。 男は幼い時に両親を病気で失って、祖母に育てられました。 でも人も病気がちで家にこもることが多かったんです。 狭い村落で村八分的な存在となり、 女性たちとの関係も断絶状態になりました。 こうした差別に対する長年の恨みに、 経済的な困窮が加わり、 村人の虐殺を計画するようになったのです

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/12
    大量虐殺……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  11 「何に驚いたかと言いますと、 大阪で五百坪の豪邸を買ったのだと聞かされた衝撃でした。 火事で全ての財産を無くしたはずの旦那様が、 どこに金を隠し持っていたのか、驚き以外何もなかったのです。 そこへこの女をにすると報告が有って二度驚きました。 それが今のお内儀です、 一緒に連れ子として来たのが真一さんで、 お内儀とは四国に居た当時に、 花柳界で贔屓に(ひいき)していた芸子でした。 真一さんは幼少のころに転んだ拍子に煮え湯を浴び、 顔だけじゃなく首から下も火傷(やけど)の痕が残ってます。 それだけなら大した問題では無

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/11
    大事件が……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  10 「今も言いましたように、 県下どころか四国でも有名な材木商でしたので、 大工職人まで入れると従業員は三百人を超えておりました。 ところが江戸時代から続いたと言われた大店も、 終焉の時を迎えたのです。 近所で火事が有りその火が蓄積してある材木に燃え移り、 瞬く間に炎に包まれ千坪の店は全焼しました。 旦那様は、従業員を全て解雇して店を畳む決断をしました。 雇人で残ったのは女中二人と私の三人だけでした。 当時は火災保険なんて有りません、 出火元に補償を願い出ても全くあてにはなりません。 突然旦那様は、大阪に行くと言い出し

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/10
    火事が……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  9 「私はいろいろと考えました、蔵の扉は自由に開け閉めできる、全くの閉じ込められた状態ではない、 それにしてもあの頭巾は何なのか、 蔵から出られない隔離された真一さんが、 なぜ頭巾をしているのか? 他人の目に触れない生活をしてる真一さんが、 頭巾など被る必要はないでは無いか。 父親宗右衛門の指示であろうか? 私は哲造さんが、 人力車の車夫になったときに聞いてみました。 真一さんは何で頭巾なんて被ってるんですか? 蔵の中から出られん生活をしてて、 他人に見られることは無い。 頭巾は何のために? 哲造さんは、答えるのに躊躇(

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/09
    あの頭巾は……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  8 「私は行動を起こしました、 屋敷の周りを歩き蔵の位置を確かめました。 いまさらながら驚いたのは、 京都のお寺さんかと見がまうニ尺ほどの石垣の上に、 六尺も優に超える築地が侵入を拒んでいます。 瓦を被った築地は中の情景をすっぽり隠し、 わずかに蔵の屋根が見える程度でした。 私は外からの侵入は諦めました。 たとえ梯子をかけて侵入しても何の意味も無いことでした。 屋敷に戻った私は、 森を抜け蔵に近づき入る方法はないものか考えました。 そのときです、蔵の扉が開き誰かが出てきました。 目を凝らして木陰から注視しました。 頭から

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/08
    真一さんが……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  7 「カネさんは慣れた手つきで 運んできた大盆を蔵の扉下に預け、 大きな木札のついた鍵で入り口を開けました。 油でも注してあるのか、 カネさんは重々しい扉を楽に開けたのです。 カネさんが専属で事を運んでるんやと気づきました。 給仕をしてるんか、十分以上出て来ません。 哲造さんに声をかけようとしたら、 口を押えられ声を出してはいけないことを、再認識しました。 蔵から出てきたカネさんは、 大盆を手に持ち、鍵をかけて静かに立ち去りました。 哲造さんが言いました、 『お嬢さんこれが真一さんの実態です、 どうして蔵に閉じ込めてお

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/07
    蔵に閉じ込め……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  6 「翌日わたしは、高鳴る胸を押さえつつ、 約束の桜の木で待ちました。 間もなく仕事衣装の哲造さんが現れました。 今日は場所を教えるだけで、 会うことはできないと言われました。 誰かに気づかれていけないので、 静かに歩いて声は絶対に出さない約束でした。 森を分け入って下刈りされた小道を進みます。 哲造さんは私の足元を気遣って何度も振り向きました。 早く見たい会いたいの一心だったからか、 ずいぶん遠い印象を受けました。 突然哲造さんが屈み込み、目の前の草を手でわけました。 一瞬声をあげそうになりましたが堪えました。 目の前

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/06
    蔵が……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 身を高ぶる者は謗られ(非難され)、 身を低くする者は褒められる。(祝福される) この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  5 「そんな事が有ってからは、 真一さんの事が気になって仕方なくなりました。 私は隙(すき)をみては屋敷中の部屋の探索を始めました。 部屋が幾つあるのか、 次々と初めて入る部屋の多さに迷子になるほどでした。 それでも真一さんの部屋は見つかりません。 私は女中のカネさんに、 風呂に入れてもらってる時に聞いたのです。 真一さんの部屋を教えて欲しいと。 カネさんは顔色を変えて口を利かなくなりました。 後で聞いた話ですが、 真一さんの事には触れてはい

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/05
    お兄さんに……