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  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 身を高ぶる者は謗られ(非難され)、 身を低くする者は褒められる。(祝福される) この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  4 「桃、よく聴くのじゃ、おまえは平尾家の相続人じゃ。 来なら男が望ましいのだが、 今から話す事情が有って、 一人息子に家系を継がすわけにいかんのじゃ。 おまえが知ってるかどうかは解らんが、 おまえの母親は出産直後亡くなった、今の母親は後や。 そのタネには連れ子があって、 真一と言う名でこの屋敷で生活してる。 『私には初耳で、 その真一さんはどの部屋に住んでるのか興味が湧きました』 真一は幼いころに顔に煮え湯を浴びて、 九死に一生を得た

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/08/04
    相続人……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 身を高ぶる者は謗られ(非難され)、 身を低くする者は褒められる。(祝福される) この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  3 「桃谷の家は、父親が何で儲けたのか豪邸でした。 屋敷の坪数も五百坪はあったと思います。 蒼(うっそう)とした森のなかにある屋敷でした。 昔の造りなので手水場(ちょうずば)、お便所のことですが、 石畳を歩いて北の隅まで森を抜けねばなりませんでした。 私は手水場に行くのが嫌いで我慢をしたために、 入院したことも有りました。 座敷から縁側に出て大きな踏み石に下りて、 下駄を履いて手水場へ歩きます。 当時はサンダルなんて洒落た物は無かった時代で

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/08/03
    車夫の……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 身を高ぶる者は謗られ(非難され)、 身を低くする者は褒められる。(祝福される) この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  2 「それで頼みて何ですんや?」 さっそく龍蔵が訊ねた。 「頼みごとを言うたら、その説明をせなあきません。 そやから私の生い立ちから話していったら、 理解してもらえると思うんです。 長い話になりますけど聞いてもらえますか?」 桃さんが頭を下げた。 「まだまだ夜は長い、 陽が落ちるとワシも暇人や、いつまででも付き合いますで」 龍蔵が快く受けた。 「おおきに、そんならお言葉に甘えて」 酒を受けた桃さんが話し出した。 「私は今いうたように、明治十年

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/02
    一代記……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 身を高ぶる者は謗(そし)られ(非難され)、 身を低くする者は褒められる。(祝福される) この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「 謗(そし)る 」  1 「お初にお目にかかります、急に伺った失礼をお許し願います」 上品な老婆が、座敷の上がり框(かまち)で頭を下げた。 開店間近の居酒屋<飲んだくれ>、 定席の座敷に構える龍蔵は、見知らぬ老婆に目をやった。 「ワシはミナミの龍蔵いいます、ワシに何か用ですんか?」 老婆に訊ねた。 「人様の噂を頼りに、やっとお目にかかる事ができました。 龍蔵さんを見込んでお願いが有って来ましたんや」 「どんなお願いか知らんけど、まぁ上がってください」 座敷

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:謗(そし)る』
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    higashimoto28 2016/08/01
    七十八歳……
  • 難波侠客伝飛礫 - 東本 京史 | パブー

    higashimoto28
    higashimoto28 2016/07/31
    「飛礫」が発売になりました。
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 「暫」は日で完結いたします、8月1日からは「謗(そし)る」が始まります。 この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  31  完結編 「おひまを頂きとうございます。 こう人使いが荒くてはとても辛抱しかねます」 老人に家族はなく、 中間(ちゅうげん)代わりの男の奉公人が住み込みで、 家事一切をまかなうのだが、とにかく人使いが荒い。 十日も働けば上出来で、 三日や五日、ときには半日でやめていく。 そこへ屈強を自負する杢助(もくすけ)が奉公してきた。 『なぁに人が人を使うんだ、 お化けに使われるわけや無い、充分辛抱してみせる』 ところが初日から驚いた。 荒いなんてもん

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/31
    タヌキが……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  30 「朝からえらいことでしたな」 龍蔵が同情する。 「ホンマえらい目に遭うた。 救急車に乗せられて『どうしました?』 と、聞かれても、 鏡に映った自分の顔を、 妖怪と間違うて気を失うたなんて言われへんがな。 足元を滑らせて転んだ言うてごまかしたんや」 近藤が痛そうに額の汗を拭う。 「レントゲン撮っても異常はなかったんですやろ? それやったら不幸中の幸いや。 何いうても、この顔が原因ですわ。 近藤ハンのお母ちゃんは、 よっぽど芸術的センスがなかったんやな。 そうか天才やったかどっちかや。 かの有名なピカソでもこの顔は描け

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/07/30
    土偶……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  29 「そうですか、倉庫騒ぎも覚醒剤の摘発で終焉や。 ええ方向で解決になったから良かったですがな。 また表彰状が増えますな」 龍蔵が酒を注いでやった。 「ホンマいつもいつも有り難いことや、 今頃は麻薬取締部がガサ入れをやって、 覚醒剤を押収してると思うわ。 運送屋の運ちゃんも、 ナンボか事情も知ってたはずやから、 幇助(ほうじょ)が立件できたら逮捕や」 近藤が、酒を旨そうに飲んだ。 「さっきから気になってるんやけど、 額の傷はどうしましたんや? 時間が経って無いんかまだ赤いですがな」 龍蔵が問うた。 「聞かれるんやない

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/29
    救急車で……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  28 「あいつらがヤクの運び屋?」 龍蔵が問うた。 「そうなんや、以前から海ルートで運ばれてきたヤクを、 密売人のとこへ届ける仕事をしてたんや。 船で受け取ったヤクを、 何人かの密売人に分けて配る必要がある。 それには一時的に保管する場所が必要や。 奴らは、墓石の不法投棄をしてる時に、 倉庫の物音騒ぎを聞いたんや。 そこで閃(ひらめ)いたんが、 騒ぎに紛れてのヤクの保管場所や。 倉庫やし保管場所にはもってこいや。 昼間運んで来る運送屋の運ちゃんに小遣い銭を与えて、 ヤクの入った段ボール箱を紛れ込ませて運ばせたんや。 あの

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/28
    覚醒剤は……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  27 「そう言うたら、 倉庫で物音がする件はどうなったんや?」 龍蔵が問うた。 「そうですな、幽霊ばっかり追いかけてたから、 忘れてましたわ。 何や聞くとこによると、 幽霊騒ぎがおさまった途端、 物音もせんようになったらしいですわ。 まさか幽霊の仕業やったとは思えんし不思議ですわ」 ちらりと一心の顔を見た。 「私は関係ありませんで。 幽霊騒ぎは私ですが、 倉庫の物音は私も不思議やと思てましたんや。 幽霊は寺の敷地やったからできたけど、 そんな怖い倉庫に忍び込んで、 悪さをする勇気は有りませんわ」 嘘はついてないようや。

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/27
    ヤクの運び屋……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  26 「なんせ全部やないけど、税金対象外ですからな。 ただ昔ほど、 悠然とはしとれん世の中になってきましたんや。 檀家の数は減少の一途やし、増える見込みは有りません。 そんな影響から、墓が絶えて無縁墓が増え続けているんです。あの墓石の不法投棄も、そんな社会が産んだ産物ですわ。 そやから全国のお寺さんも、京都や奈良の有名寺は別にして、貧乏寺が増えてますんや。 有名な寺に墓所がある檀家は、 守り抜く家族の団結心も強いんですが、 田舎の地域で生きながらえてきた寺は、 若者が都会へ行って墓参りにも来ん。 やがては都会に住み着いて

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/07/26
    貧乏寺が……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  25 「今日は、ホンマに楽しい経験をさしてもうた。 そう言うたら、坊さんの名前を聞いてなかったな。 これからはワシら友達や、ワシはミナミの龍蔵、 この御仁は心改め善良な市民になった亀吉ハンですわ」 龍蔵が紹介をした。 「これは遅れてすんません、一心と言います。 今日はホンマにありがとうございました。 犯人が逮捕されて、これからはぐっすり眠れますわ」 深々と頭を下げた。 「一心太助の一心かいな、なかなか頭脳明晰、義快心にとんだ名前ですな。 一心ハンが歩いたら幽霊がつけて来て、 眠らせてくれんかもしれませんで」 龍蔵が脅かし

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/07/25
    妾を……
  • 難波侠客伝諸行無常 - 東本 京史 | パブー

    higashimoto28
    higashimoto28 2016/07/24
    ヤクがここまでまん延!!
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  24 「打ち合わせ通り、奴らが墓石を捨てたら、 ワシら三人が幽霊衣装で驚かして現行犯で逮捕や。 逮捕は近藤デカに任したらええ」 龍蔵が打ち合わせの確認をした。 「近藤ハンは、お面被りませんのか?」 亀吉が訊ねる。 「さっき亀吉ハンが言うたやないか、近藤デカにお面は不要や。 あんだけの顔や、どんなお面にも負けんがな。 幽霊大会に出たら即優勝や」 近藤が、車の中でクシャミをした。 龍蔵の手を振る合図に身構える。 不法投棄のリヤカーが、 ようすをうかがいながら木戸から入ってくる。 三人は墓石の陰に隠れ投棄する姿を見据えた。 リ

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/24
    リヤカーが……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  23 「ワシがお化けとは……、トホホ」 近藤が情けない顔をみせる。 「そんな嘆(なげ)くこと有りまへんわ。 黙って観てるだけで表彰状がもらえますんやで。 こんな美味しい話ありませんがな」 「そうですわ、その顔で墓場に来られたら、 新種のお化けかと大勢の霊魂がビックリして、 あの世の語り草になりますわ」 亀吉が追い討ちをかける。 近藤は、木戸が見える位置に車を停め車中の人となった。 龍蔵と亀吉、坊主の三人は、白装束に着替えお面を被った。 「龍蔵ハン、お面は要りませんで。 実物の方がお面よりよっぽど怖いですわ」 亀吉が、化け

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/23
    アイドル?
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  22 「あんたはお寺さんや、 当然白装束(しょうぞく)持ってるやろ? それを三人分用意してくれるか。 ワシら三人が幽霊になって驚かせたるんや。 亀吉ハン、玩具屋(おもちゃや)へ行って、 怖そうなお面買うてきてくれるか。 これはオモロイことになってきた、 お坊さん、今度は犯人が腰抜かす番や」 亀吉は玩具屋へ、坊主は庫裡(くり)へ走った。 龍蔵が急いで府警の近藤デカに電話する。 三十分も経たないうちに近藤が車で駆け付けた。 「そう言うわけで、不法投棄の犯人を逮捕して、 法の裁きを受けさせたいんですわ。 逮捕の段取りはワシらが

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/22
    チンクシャ……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  21 「そうか、幽霊の正体と訳が解かったんで一安心やけど、 不法投棄の犯人を捕まえなアカンな」 「それが捨てに来た現場を押さえたろうと、 見張ったんやけど、そんな時は現れませんのや」 坊主が困った顔をする。 「相手も不法投棄やから、 警戒して誰も居てないのを確認してから、 運んで来てるはずや。 奴らは必ず下準備に墓に誰も居てないのを、 確認に来るはずや。 それをワシらが隠れて見届けたら、 捕まえるんは簡単や。 そんでも、ただ捕まえるだけやったら面白うない。 目いっぱい驚かしてやろうやないか」 龍蔵の話に引き込まれ、坊主が

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/21
    犯人を驚かす……
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    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  20 「こいつは坊主ですがな、これが幽霊の正体ですんか?」 亀吉が驚きの声をあげた。 「亀吉ハンの後をつけて、幽霊の真似事してたんはこいつや。 亀吉ハンが塀際の道路を歩く、 この坊主は塀際の墓地の中を歩く。 後をつけて、 塀に開けられた無数の飾り穴から、 亀吉ハンの姿を確認しながらつけたんや。 手に持ったサンダルで塀を叩いて、 足音の効果音を出してたんや。 塀を隔ててつけるんやから、振り向いても姿は見えん」 龍蔵が説明した。 「そやけど、坊主が何でそんな悪さを?」 亀吉が首をかしげた。 「コラッ幽霊、目を覚ませ」 龍蔵が

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    higashimoto28 2016/07/20
    坊主が……
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    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  19 「龍蔵さんどないします、 幽霊をみつけに来たのに、墓石の不法投棄やなんて、 とんでもない事になりましたな」 坊主が去った後、亀吉が問いかけた。 「目的は幽霊や、幽霊さんに会うまで毎晩来るで」 亀吉がうなずいた。 それから三日後の夜十一時、変化が起こった。 「龍蔵さん、後ろ向いたらあきませんで、 誰かがつけて来てますわ」 「ホンマやな、ワシらの歩調に合わせてつけて来るな。 この調子で歩いて、次の角を曲がって隠れよ。 エエ作戦を思いついたから打ち合わせや」 うなずく亀吉と共に角を曲がった。 「曲がったとたんに足音が消え

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
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    higashimoto28 2016/07/19
    コラッ……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「暫 (しばらく)」  18 「墓石の不法投棄なんて初めて聞いたけど、 そんな被害に遭うてるんはこの寺だけですんか?」 龍蔵が問うた。 「宗派の集まりが有って聞いてみたんやが、 さすがに寺や墓地に捨てられるんはマレみたいやけど、 田舎へ行くと山に捨てられるんは後を絶たんそうや」 「みんな先祖を敬(うやま)い、 墓は大切に守られてると思てたのに、 捨てるとは驚きや、なんでそんなことになりますんや?」 疑問を訊ねた。 「昔のように家族が多かった時代は、 誰かが墓の守り手を引き継いだもんやが、 最近は一人っ子や、結婚もせん若者が増えて、 墓を守る人間

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:暫(しばらく)』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/07/18
    無縁……