日本で万年筆といえば、大人が使うイメージが強い筆記具。だが、パイロットコーポレーションは2013年10月に、子供向け万年筆『カクノ』を発売した。 『カクノ』は大人が使う本格万年筆と違い、子供が使いやすい工夫や、カラフルなキャップなど親しみやすいデザインを採用し、発売と同時に大きな注目を集めた。 1本1000円(税別)という低価格もあり販売は好調そのもので、2014年3月には白軸もラインナップ。初年度15万本という万年筆としてはかなり高い販売目標も軽々クリアし、発売から半年で30万本も売れた。 開発がスタートしたのは、今から5年ほど前。きっかけは、「低価格の万年筆をつくれないか」という経営からの要望であった。しかし、販売ターゲットが明確でなかったこともあり、形にできない状態が長く続く。工場が独自につくってみたこともあったが、とても売り物になるようなものではなかった。 そこで同社は、販売ターゲ