ギャンブルは全くしない私だが、祖母などはボードゲームを趣味にしているというだけで「賭けているのか」と訊いてくる。そんなギャンブルへの偏見を、私ももっていたことをこの本を読んで反省している。 著者は麻雀をこよなく愛する弁護士で、雀荘で遊んでいるだけで賭博罪に問われてしまう現状への違和感から出発している。刑法の謙抑主義(やむを得ない場合のみ適用する)や可罰的違法性(違法でも程度が低ければ処罰されない)といった概念を紹介し、最高裁の判例や法学者の見解も仔細に検討しているので説得力がある。それでいてドラゴンボールや叶姉妹の喩えで堅苦しくない。 表題に対して、関係者の取材から得られた結論は、仲間同士で常識範囲内のレートなら逮捕されない、フリー雀荘・都内・リャンピン東風戦の条件がそろうと逮捕の可能性が高いというものだが、ここまでは最初の30ページくらい。その後は、賭博罪が理不尽であるかという主張である