ドイツでは、ボードゲームが盛んだ。「欧州の盟主」「ものづくり大国」と称されるドイツ。敗戦の過去や理論好きな国民性が独自の発展を後押しした「ゲーム大国」の顔もある。毎年約700の新作が世に出る。大人も熱中するボードゲームは、教育現場や難民の社会統合にも応用されている。 ゲーム界の「アカデミー賞」 独西部エッセンで10月に開かれた世界最大級のボードゲーム見本市「エッセン・シュピール」。東京ドームより広い会場に、新作約1100点を含む数千のゲーム盤が所狭しと並ぶ。老若男女がテーブルを囲んでサイコロの目に一喜一憂している。購入前に実際に遊んでみることができるのだ。 独北部在住のシュテファンさん(36)夫妻は、日本のゲーム「街コロ」に、はまったようだ。サイコロを振り、コインの枚数を増やしながら、駅や電波塔など様々な建物をそろえ街を育てていくゲーム。海外でも人気がある。「サイコロの目よりも戦略が勝敗を