ソニーが米グーグルと新型の映像・情報端末分野で提携する。インターネット業界の覇者であるグーグルの技術力をテコに、従来にないデジタル家電やサービスを生み出す起死回生策。だが、中核技術を他社に頼る戦略には危うさも潜む。ソニーの一手は、米アップルや韓国サムスン電子の攻勢にさらされる日本の家電業界の行く末を占う試金石でもある。 一石二鳥の提携策 ソニー初の外国人トップとして会長に就いて5年。ハワード・ストリンガー氏がついに動いた。最大のライバルと考えるアップルが多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」を日本など9カ国で売り出す1週間前。発表のタイミングも絶妙だ。 iPadはスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)がこだわったテレビを脅かすほどの高精細画面が売り物。ユーチューブなどの映像やゲームなどを自在に映し出せ、「21世紀型のテレビ」と呼べる。そのアップルを追撃するように、ソニーはグーグルと