K-1戦士の仮面の下に隠された挫折と苦悩 「アンディ:孤独な放浪者」アンディ・フグの衝撃の死から三年。命日の8月24日を前に、あの「鉄人」の強靱な肉体に隠された、繊細で傷つきやすい魂を説き明かす。未だ知られざるアンディ像に迫る魂の物語。 ハングリーであることをまわりに漂わせているようなボクサーが、 これまで沢山いた。そんなボクサーで抜群と思われる人もいた。 そういう人こそが、永遠の挑戦者ということばにぴったりする。 だが彼らの存在は自分自身が光り輝くためのものではない。彼ら は、その対蹠(たいせき)に立つ「永遠の王者=夏の光の王」の 輝きを冴え渡らせるためにこそ存在したのだ。 挑戦者の哲学を語ることは、それゆえ、真の王の哲学を語ること にそのまま通じると言ってよい。王には帰る場所は必要ない。王 たるその場こそが彼の帰る場所であり、存在が燃焼し尽くせば、 忽然として自然消滅して天空=「あの世