「あの、『カエル君 東京を救う』って本は、どこにありますか」(輪るピングドラム9話) まず先に書いておくが、あまり面白い本ではない。というか伊藤計劃についてはデビューしたばっかりの新人が雑誌の都合やネット論壇の都合や作者自身が死んじゃったのやで過剰に持ち上げられてる気がするので、そのへんを差し引けば、こんなもんじゃないかなと思う。 さておき同世代団塊ジュニアのゲーマー世代らしいひねくれ方ではあるのでとっつきやすく、文章は上手で読みやすいし、小ネタは面白い。現実世界の道具が全部バーチャルタグ付けされてて検索簡単になってると結果として部屋を片付けず散らかりっぱなしになる、というPCあるあるネタが繰り返し使われてて、作品全体への類推・投影がなされてるのだが、ソフトウェアが十分に進歩してしまえばハードウェア(本棚など)での管理は必要ない、てのがキモだ。 いちおう「虐殺器官」「ハーモニー」とオリジナ