新幹線の「食堂車」と聞いて、懐かしいと思う人はどれぐらいいるだろう。16両編成の8両目に連結されていたが、2000年3月のダイヤ改正ですべて姿を消した。 皮肉なことに、廃止の理由は、利用客が増えたためだ。座席数を増やす必要があり、食堂車は客車に置き換えられていったのだ。 「走るレストラン」が導入されたのは開業から11年後、1975年のことだ。「富士山を見ながら食事ができます」がうたい文句。ぜいたくさが自慢だった。 80年代に入ると、食堂車は2階建て車両に。バブル経済の追い風を受け、当時、飛ぶように売れたのが、最も高かった「サーロインステーキ定食」(2100円)だった。 バブル崩壊後、高速化の要求も高まり、食堂車でゆっくり食事がしたいという需要も減少。食堂車を連結した「ひかり」は、「のぞみ」の通過待ちで途中停車することも多くなった。 調理場では、かつては30人分のご飯が一気に炊ける業務用炊飯
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