麻枝さんの世界観の魅力の一つに、最初からある縛りというか閉塞さを絶対に認めた上で先に進もうとする、という点があるかもなぁと、麻枝さん作曲・keyのボーカル曲を聞いてたら思った。 歌詞のお話。 だいたいの曲において、「どうしようもならない」という前提については諦めた上で、その先に『強さ』を求めているんですね。特に「nostalgia」とか「spica」とかの、ゲームと直截的に関わりのない曲。 過去形というか、”それはもう変わらないよ”という前提が強く孕まれている。例えば『夏影』「今は違う途を」、『nostalgia』の最後のリリック、などから考えると、その楽曲で歌われたものは、その曲中の時間軸が一番進んだところから見れば、概ね過去形で語られるのと意味を同じくしている。そして、それを取り戻そうとかやり直そうという思考は微塵も見られない。また『spica』なんかは、明示的に過去形ではありませんが